生きる ページ24
「鯉登少尉殿」
私は真っ直ぐに、鯉登少尉を見つめる。ここで、私のせいで鯉登少尉の足手まといになるわけにはいかない。だから。
「私なら大丈夫です。どうかそのまま軍刀を抜いてこの男を斬ってください」
「なっ…！？」
私はそう言って微笑む。鯉登少尉は一瞬目を見開くと、信じられないものを見るような目で私を見る。
「私は貴方の腕を信じています。だから、どうか私を信じてください」
私はそう言うと、もう一度まっすぐに、強い意志を持った瞳で、彼を見つめる。
鯉登少尉は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに険しい表情へと変わると、やがてゆっくりと、そして力強く頷いた。そして、ゆっくりと右手で持っていた両手軍刀の柄を握る。
「
男が苛立ったように叫ぶ。その瞬間、私は素早く両手で男の手首と襟を掴むと、勢いよく身体を丸めて相手の重心を崩し、背負い投げをする。昔、宇佐美上等兵から教わった柔道の技の一つだ。
突然のことに、男は受け身が取れず、地面に叩きつけられる。
すぐさま起き上がろうとするが、それよりも早く、鯉登少尉の軍刀が男の頭へと振り下ろされ、男は絶命した。
「大丈夫か！？Aッ！！」
「はい。お陰様で大丈夫です」
鯉登少尉が駆け寄って、心配そうな顔で私を見ると、体の周りをぐるりと確認するように見る。
「どこも怪我していないな！？」
「えぇ。平気ですよ」
「全くお前という奴は……」
はぁ〜、と深いため息をつく。どうやらかなり肝が冷えたようだ。
「鯉登少尉殿、申し訳ありません。私のために……」
「謝ることなどない。…お前が無事で良かった」
鯉登少尉はそういうと、私を強く抱きしめた。
「こ……鯉登少尉殿！？」
「本当に、よかった……」
鯉登少尉は、心底安心したという声色で呟くと、私の肩に顔を埋めた。
「鯉登少尉殿……」
彼の体温が、鼓動が直接伝わってきて、思わずどきりとする。こんなに近くに彼を感じたのは初めてかもしれない。何とも言えない感情が込み上げてくるのを必死に抑える。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
