狼に追いつく 3 ページ23
「杉元を追うぞ！！」
鯉登少尉の声に、私、月島軍曹、谷垣さんも杉元さんの後を追う。
「杉元の足跡はこっちだ」
この中で唯一、マタギで雪山にも慣れているという谷垣さんが、先頭を進み杉元さんの向かった方向へ足跡を辿っていく。
吹雪が視界を遮る中、必死に前を行く谷垣さんと鯉登少尉の背中を追いかけていく。
「……月島軍曹殿？」
ふいに後ろにいた月島軍曹の気配が消えた気がして振り返ると、そこには誰も居なかった。
月島軍曹がいない。
まさか、逸れた？
「谷垣さん、鯉登少尉殿！月島軍曹が…………ッ谷垣さん、危ない！！」
私の言葉と同時に、何かが谷垣さんの右横から飛び出してきているのに気がついた。よく見るとそれは屈強な男で、半分は髪の毛が生えており、もう半分は剃りあげていた。男は谷垣さんに飛びかかるようにして、彼を殴りつける。
「谷垣さんッ！！」
私は咄嗟に銃を構える。しかし、突然後ろから何かが覆いかぶさってきた。
「
その言葉が耳元で囁かれた瞬間、私の首筋に冷たいものが当てられる。その感触に、私は思わず息を呑んだ。視線だけ動かすと、首元には鎌のような物があてられているようだった。
「Aッ！！」
「
男はロシア語で何かを言うと、さらに強く私を押さえつけてくる。この男が何者なのかわからないが、私を人質にするつもりらしい。
鯉登少尉は「貴様ァ…！！」と怒りを露わにして、腰に差した両手軍刀に手をかける。
すると、男は私に当てた刃物をぐっと近づける。少しでも動いたら、刺すつもりなのだろう。
鯉登少尉はその様子を見て、悔しそうに歯噛みする。私が人質に取られている以上、下手に動けないのだ。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
