狼に追いつく ページ21
私達はさらに北上し、アレクサンドロフスクサハリンスキー……通称"亜港"へとたどり着いた。丘の上から、私達はそっと街を見下ろす。
教会や小さな住宅などが建ち並び、街の外れの方には、住宅とは少し異質な建物が見えた。おそらくそこが亜港な監獄のだろう。その証拠に、そこからは大きな煙が上がっていた。
「何か爆発したぞ。…亜港監獄だ！」
月島軍曹が指差したのは、海に面した崖の上に建てられた大きな建物だ。もしキロランケがパルチザンの仲間と合流するのならば、その仲間を脱獄させるに違いない、というのが私達が出した考えだった。
「急げ！！アシリパさんたちは近い！！」
杉元さんの言葉に、私達は急いで犬橇を走らせ、亜港監獄へと向かう。ここを逃したら、もう二度と会う機会は無いかもしれない。
その前になんとしてでも、アシリパを奪還しなければ。
「キロランケが爆破して囚人を逃したんだ」
「一歩遅かったがやつらは近いぞ」
亜港監獄に近づくと、何やら監獄周辺は騒がしさで包まれていた。監獄の外壁には、爆破によってあけられたような穴があり、どうやらその穴から囚人が脱獄したらしい。
キロランケは元工兵だったらしい。恐らくここを爆発させたのも、キロランケなのだろう。
「どうだ？リュウ」
杉元さんは懐から刃物のようなものを取り出すと、それをリュウに嗅がせる。どうやら、キロランケの匂いをは含んだもののようだ。
その匂いを嗅いだリュウは、あっちの方だと言わんばかりに、そわそわした様子で流氷の先と私達を交互に見つめる。
「あっちに…キロランケたちがいるんですか？リュウ」
私がそう問いかけると、それに答えるかのように、リュウは力強く吠えた。まさか流氷渡ったとでもいうのだろうか。
にわかには信じがたいが、人間よりも嗅覚の鋭い犬のことだ。きっと間違いないのだろう。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
