無自覚 3 ページ13
「すみません、急にこんなこと言って……」
「い、いや。謝らないで。びっくりしただけだから」
杉元さんは、困ったというふうにして笑う。
「その……どうしてそう思うの？」
「だって、杉元さんはとても気が利きますし、優しいですから。きっと、すごくモテるんじゃないかなって思って」
「ええ〜？そ、そぉ…？」
杉元さんの頬が少し赤く染まる。照れているようだ。
可愛い。
「…確かに、モテそうな顔ではあるな」
「杉元の顔は凶悪だが、まあ悪くはない」
谷垣さんと月島軍曹までもが話に加わってくる。やはり、男の人からみても杉元さんは魅力的な人なのだ。だが、それを聞いて面白くないと思ったのは鯉登少尉だった。
「フンッ。杉元のような男の何がいいんだ。ただの芋臭い、馬鹿な男ではないか。貴様らの見る目がなさすぎるな」
「鯉登少尉殿……」
「おい、お前にだけは言われたくねぇよ。クソボンボン」
「なんだと！？」
案の定、二人は喧嘩を始めてしまった。
私が困惑している間も、二人の言い合いは続く。
「そういうテメェはどうなんだよ！？ヤマダ曲馬団のときだって、たまたまキャーキャー言ってる女がいただけだろ！！鼻の下伸ばしやがって。ああいうのが好みなのかよ」
「なッ！ば、バカを言うな！」
「どうだか」
ハンッと、杉元さんは嘲笑う。鯉登少尉は、何故か焦った様子でチラチラとこちらを見ている。
「でも、確かに可愛らしい方々ばかりでしたね」
私がぽつりとそう言うと、鯉登少尉の肩がビクッと跳ね上がる。
「…お前は、私がモテていたら嬉しいのか？」
「え、まあ……。そりゃあ、上官の方が人気があるというのは、部下としては誇らしく思います」
私にとっては、モヤモヤしてしまうものだが、鯉登少尉にとっては嬉しいのではないだろうか。
そう思って言うと、鯉登少尉はムスッとした表情で黙り込んでしまった。
……もしかしてまた、私が怒らせてしまったのだろうか。
「すみません……。鯉登少尉殿は、モテて嬉しくなかったんですね…」
「…。………。…いくらモテたって本命に好かれなければ意味がない……」
「え？…あぁ…」
やはり、鯉登少尉殿には好いている女性がいるのか。それはそうだ。鯉登少尉だって、軍人である前に一人の男性だもの。好いている人がいないほうがおかしい。
私は、胸の奥にズキッと痛みを感じつつも、平静を装う。
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塩わさび(プロフ) - くろわっさんさん» コメントありがとうございます。毎日だなんてとても嬉しいです☺これからも宜しくお願いいたします！ (6月18日 21時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 何を企んでいるんでしょう…😏😏 (6月18日 21時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっさん - 最高です😭😭😭💖毎日のように読ませていただいております！！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💖💖 (6月7日 0時) (レス) @page43 id: 046a741a21 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 尾形さん一体何を・・・。てかいつの間にか尾形さんと鯉登さんとの三角関係に！！？？ (6月6日 22時) (レス) @page43 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» ですね☺共感していただけて嬉しいです💕 (6月6日 12時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年5月14日 23時
