スチェンカ 2 ページ23
「やや、お疑いですか！？それならば、試してみますか、貴方も」
彼はそう言って、私に手の平を向けてきた。…その手の平を殴ってみろ、ということらしい。
その様子に戸惑っていると、「ほら、お早く」と急かすように言われたので、私は仕方なく男の手を軽く叩いた。パチン、と乾いた音が響く。
すると、男は何やら考え込むような表情を見せた後「……ふむ」と言って、私を見た。
「貴方の拳は、真っすぐで芯が通っている。ですが…何か違う力によって、それがねじ伏せられている。それから…貴方の中に怒りや悲しみ…そして迷いといった負の感情も見え隠れしていますね」
「………」
男の言う言葉に、共感できなかった。だって私は自分でそう思ってはいないからだ。
ましてや、迷いだなんて……一体、何に迷う必要があるのだろうか。
私は鶴見中尉殿の指示にただ従うだけだ。
そうすれば、父を殺したのっぺら坊に……そして、アシリパに───…。……。
「……A？」
聞き慣れた声にハッとする。
気が付くと、いつの間にか試合は終わっており、皆がこちらに集まってきていた。
「A、大丈夫か？顔色が悪いぞ」
鯉登少尉に声をかけられ、ハッとしてあたりを見渡すと、男はもうすでにいなくなっていた。
「……大丈夫です。それよりも、みなさんお疲れ様でした。…谷垣さん、鼻血が出ていますが大丈夫ですか？これお使いください」
「ああ、問題ない。ありがとう。少し切ったみたいだが、すぐに止まるだろう」
鼻血が出ている谷垣さんに手ぬぐいを渡すと、彼はそれを受け取りつつ、私を安心させるように微笑んだ。その様子にホッとしていると、「それよりも」と月島軍曹が切り出す。
「A、杉元をみかけなかったか」
「杉元さん…？いいえ、見てませんけど」
「試合が終わってから、姿が見えないんだ。Aなら知っていると思ったんだが…」
「フン。どうせ、そのあたりで道草を食っているに違いない。そう遠くへは行ってないだろう」
谷垣さんの言葉に、鯉登少尉が返す。確かに、この狭い村の中だ。探そうと思えば、簡単に見つかるはずだ。
もしかしたら、あの熱気の篭った会場に耐えきれず、外に涼みに行ったのかもしれない。
私達はそう結論づけて、杉元さんを探すことにした。すると案外、あっさりと見つかった。
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塩わさび(プロフ) - あもさん» 雄みある、押せ押せ鯉登少尉にしてみました👏👏 (2023年3月12日 16時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さーーーーーーんッ(；ﾟДﾟ) 鯉登さん夢主と急接近しまくりでもうパニック！！！ (2023年3月5日 20時) (レス) @page41 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 本音がポロっと出ちゃいましたね…😳💕 (2023年2月22日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - まっ///鯉登さんべた褒めですな〜♡♡♡ (2023年2月19日 19時) (レス) @page18 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» コメントありがとうございます。やっとこさ仲直り（？）できました🥰 (2023年2月11日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年2月10日 22時
