嫁入り前の娘 3 ページ18
「A、その、今のはだな、つまり、えーっと……つまり、だな。……私は…Aがこれ以上、傷つくのは見たくないんだ。だから、ここは杉元にだけ任せるべきだと思う。お、お前もそう思うだろう、谷垣」
急に話を振られた谷垣さんは、戸惑いながらも、こくりと小さくうなずく。
その様子に、杉元さんが再び不満そうな顔をした時、それまで傍観していた店主が再び口を開いて、ロシア語で何かを言った。
「『一人抜けた穴を埋めればいい』と言っているぞ」
店主はいつの間にか後ろに控えていたロシア人三人を指し、そう言ったらしい。そして、再び私達を見て上から下までじっと見つめると、鼻で笑った。
「…『お前ら日本人だけではロシア人に勝てない』…だと？」
月島軍曹が通訳したその瞬間、鯉登少尉や谷垣さんの額に青筋が入る。私もさすがに腹が立ち、睨みつけるように男を見上げると、男は私を指差して何かを言う。
「…それに…万が一、杉元が負けたら、Aをよこせと言っている」
「……は？」
一瞬、月島軍曹の言っていることがわからなかった。だが、すぐに理解する。要するに、私が賭けの対象になっているのだ。
「Aさんは関係ねぇだろ」
杉元さんがそう言って、反論する。しかし、男は聞く耳を持たず、私を見るだけだった。
「この薄らハゲ……。Aにまで手を出そうとは…」
「もう日露戦争を忘れたか」
鯉登少尉と谷垣さんは、今にも店主に殴りかからんばかりの勢いで怒っている。
月島軍曹も俯いているものの、帽子から覗くその瞳は怒りに染まっていた。
こうなってはもう、誰にも止められないだろう。
「安心しろ、A。お前が出れない分、私ひとりで倒してやる」
鯉登少尉はそう言うと、私の方を振り向いて微笑む。私はそれに、曖昧に微笑むしかなかった。
こうして、私を覗く四人の男たちは、スチェンカに参加することになったのだった。
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塩わさび(プロフ) - あもさん» 雄みある、押せ押せ鯉登少尉にしてみました👏👏 (2023年3月12日 16時) (
レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 鯉登さーーーーーーんッ(；ﾟДﾟ) 鯉登さん夢主と急接近しまくりでもうパニック！！！ (2023年3月5日 20時) (レス) @page41 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» 本音がポロっと出ちゃいましたね…😳💕 (2023年2月22日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - まっ///鯉登さんべた褒めですな〜♡♡♡ (2023年2月19日 19時) (レス) @page18 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)
塩わさび(プロフ) - あもさん» コメントありがとうございます。やっとこさ仲直り（？）できました🥰 (2023年2月11日 20時) (レス) id: bea5a70fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩わさび | 作成日時：2023年2月10日 22時
