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【もしも明日が無かったら】2 ページ47

次の日も変わらずコンパスに来た

もし今日来て彼が居なかったらと少し不安だったが・・・考えすぎていたみたいだ

彼はいつものように『性懲りも無くまた来たな』と言う

あの遠い目をした昨日の彼が嘘だったみたいにいい笑顔だった

いつも通りなら気にしなくていいかとも思ったが、なんかもやもやする

あの質問の意図はなんだったのか聞かなきゃいけない気がして仕方ない



13「相棒?どうした、考え事か?」

「え?ああ、いや。なんでもない」

13「そうか?・・・ま、さっさとバトアリ行ってパァーっと蹴散らして、BM貰おうぜ」

「またBMか」

13「3回勝てば貰えるんだぜ?んなの勝たねぇ選択肢はねーだろ」



『ま、貰える額は少ねーけどな』とケッという顔をする

いつもの彼に戻っている

それだけで嬉しくて頬が少し緩んだ

しかしもやもやは消えない

どうしたものか

とりあえず13も言ってるしバトアリ行こ




13「今日も俺様は完璧だったなぁ!見たかあのイグニスの顔っ!・・・・・・顔・・・どこだ」

「表情わからないよね」

13「まあいいか。とにかく俺様かっこよかっただろ?あのバックショット!」

「うん、凄くかっこよかった」

13「ふふーん。相棒にも褒められて?僕ちゃん大満足したから帰る」

「私も満足した」

13「じゃあな相棒!・・・また"明日"な」

「っ・・・ねぇ、13」

13「あ?」



楽しかった普通の会話の中今まで忘れていた、強調するように放たれた『明日』につい呼び止めてしまった



13「なんだ?」

「少し話がしたいんだけど」

13「・・・明日じゃダメか?俺様この満足感のまま帰りてーんだが」

「『もしその明日が無かったらどうする?』」

13「!?」



昨日彼に聞かれた事をそのまま言うと彼はビクッと体を揺らして一瞬だけ目を見開いた



13「・・・忘れろって言ったろ?」

「忘れようとしたけど無理だった。少しだけ、話できる?」

13「・・・はぁ、まったくうちの相棒はよ」



そう言いながら着いてこいと言うように自室に歩きだす

その彼の背を早足で追った

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作者名:チェシャ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Cheshire0811/likes  
作成日時:2022年9月16日 17時

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