まっすぐ君だけに２ (ページ16)

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ラウールside ページ16

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佐久間くんにバレて出来なくなった壁に頭を打ちつける行為

どんな方法ならバレないかな...

そう思って手に取ったのはペンケース

最近は涼しくなってきて長袖を着てる

仕事でも長袖の衣装が多いし、制服も長袖のカッターシャツだから問題ない

ハサミやカッターはさすがに抵抗があって、恐る恐るシャーペンを腕に近づける

シュッと軽くスライドさせると、少し跡がついた

｢全然痛くない...｣

こんな跡ではあんまり心は晴れなくて、今度は少し強く押し付けてスライドさせる

すると少しめくれた皮膚と、じわっと滲む程度に出血した

少し心が軽くなった気がして何度か繰り返す

傷つけている時だけは自己嫌悪にもならす、嫌なことも思い出さずに済んで、気づけば腕には10本以上の線が入っていた

｢バレないよね...？｣

無意識に傷つけてしまっていて、思ったより範囲が広くて焦る

滲む程度の出血だけど、血が服についていたらバレちゃうからティッシュで止血

そのまま腕を抑えてぼーっとしていると、ドアがノックされた

｢はぁーい｣

康｢みんなお風呂あがったで〜。このまま寝るか？さっくん一緒に寝るって言うてたけど呼んでくる？｣

｢んーん、リビング行くね。ありがとう｣

康｢分かった。ホットミルクいれて待っとるな｣

｢ありがとう！｣

返事をして、抑えていたティッシュを外すともう血は滲んで来なかった

この程度ならすぐに治りそうかな...

スウェットの袖を萌え袖になるまで伸ばしてドアを開ける

まだ不安は残るけど、少しスッキリした気持ち

リビングに行くと、全員でゆったりと過ごす大好きな空間

テーブルには美味しそうなはちみつ入りのホットミルク

寝るまでの間リビングではさっきより明るく過ごせた気がした

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