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無心で、何も考えないように洗濯物を干した。

いつもは少し量が多いと感じるものも、なぜか今日はあっという間に終わってしまった。







『黄瀬くん、おわった』


「ん、お疲れ様。さ、早く帰るっスよー!」







無邪気に笑うその顔を見せてくれるようになったのはつい最近で、







「Aっち疲れてる?なんか歩くの遅くないっスか?」







わざわざ後ろを振り返って私の心配をしてくれる事なんて昔じゃありえなくて、








『私ね、思うんだ。黄瀬くんがモテるのって多分見た目だけじゃないよ?』


「はは、なんスか急に」


『バスケ頑張ってたり、意外と気遣いできたり。確かに見た目に寄ってくる女の子はたくさんいると思う。でも、中身を見て好きになった子もいるんじゃないかな?』


「…だといいんスけどね」








この距離で十分だ。

仲良くなれただけで幸せだから。








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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

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