歯車が必ず合うから３ (ページ28)

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とある日（にのゆち編）ページ28

台風接近により外は相当な雨が降っている。

ある程度の防音であるはずのこの建物でさえも時折響く雷鳴。

ジャにの部屋に着くといつも俺より集合の早いメンバーが誰もいなかった。

二宮くんのカバンだけあったからどこかしらに行っているのかなと思ったが、特に気にもせず編集作業に入った。

次にやってきたのは菊池だった。

菊「おざす！あれ？二宮くんは？」

中「おはよ、いやそれがカバンしかなくてさ」

菊「まぁ来るでしょう」

最後は山田くんだった。

山「おっはよーございまーす」

菊「え、めっちゃ元気じゃん」

山「あれ、ニノさんは？」

中「カバンだけあるけど、わかんない」

菊「まだ5分以上あるし、大丈夫でしょ。なぁ、中丸？」

中「だからくんかさんつけろよ！」

(30分後)

菊「さすがに遅くないっすか？」

山「俺連絡してみますね」

中「うん、お願い」

そう言って山田くんは二宮くんに電話をかけた。

しかし鳴ったのこの部屋にある二宮くんのカバンから。

しかも愛用してるアップルウォッチまで入れっぱなしだったらしく、ふたつの音が共鳴状態だ。

さすがに焦った俺たちは建物内を歩き回った。

会議室やオープンスペース、スタッフ用の仮眠室などなどほとんど全てを歩き回った。

そして最後に残ったのは滝沢くんの部屋。

ここはさすがにないだろうと思いながらも一応ドアノブに手をかける。

中「すみません、滝沢くん、お忙しいところ。」

滝「中丸？どうした？」

中「あのー二宮くんどこにいるか御存じないですか？」

滝「今日の天気、雨だったっけ？」

中「はい、雷も鳴ってますね」

滝「そっか。

まぁ今後もこんなことあると思うから、中丸くんには教えとくよ。

ちょっと歩くけど、着いてきて〜」

そう言われて着いて行った先は地下駐車場のさらに奥にある非常階段を登ったところにある部屋。

【進入禁止・危険物あり】という既に文字から放たれる物々しい雰囲気に驚きつつ、慣れた足取りで足を進める滝沢くんに慌てて着いていく。

突き当たりにはその場所だけ明らかに新しいドアがあった。

(コンコン)
滝「俺だけど、いる？」

出てきたのはよくテレビで目にする見知った顔だった。

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