02 ページ3
・
｢ここ、か？｣
三年二組教室、有紗の情報だとここが、志麻のクラスらしい。廊下からでも聞こえるうるさい声、教師はこれで何も言わないのか。
｢あの、すみません。ここに月崎志麻って人居ますか？｣
教室のドアをガラッと大きな音を立てて開ける。一気に皆の視線が私に集まって注目の的だ。
志麻らしき人を探していると、髪が真っ黄色でピアスを付けた女の人がやってきた。思い切り校則破ってるじゃん。
｢…志麻になんの用？告白ならやめなよね、フラれるだけなんだから。｣
｢告白…？まさか、するわけないでしょ。｣
｢はっ？一年の分際で何を！志麻はあんたなんかと比べ物にならない位カッコイイんだから！｣
いや、まず性別違うのに比べるも何もないでしょ。三年なのにこんなこともわからないのか。
そんな感じで呆れていると、｢ちょーっと待った！｣と大きな声が教室中に広がる。紫色の髪型と星型のピアスを付けたまたまた校則違反の男の人がやってきた。まさかこの人が志麻？
｢落ち着けって、キミなんて言うん？｣
｢…一年三組の芹沢Aです。貴方が志麻さんですか？｣
｢Aちゃんね、そう、俺が志麻やで。用があるんやったら裏庭でも行こか。｣
やっと、本人登場。凄く泣きボクロが特徴的だ。でも想像以上にイメージが悪い。
この匂い、香水だ。まるでバニラとココナッツが混じったような甘ったるい匂い。一振り位ならいい匂いなんだろうけど、これはまるで瓶に入った全ての液を体に振りかけたような、そんな感じ。汗の匂いとも混じって具合が悪くなってくる。
そして、初対面でちゃん付け、髪の毛も紫色に染めちゃって、その上キラキラした星のピアスまで付けている。制服も見事に着崩して、いくらなんでもこれは校則破りすぎだ。
やっぱり思っていた通りチャラかった。なんでこの人がそんなに人気なんだろう、モテるんだろう。やっぱり顔かな。不思議で堪らなかった。
・
｢んで、なんの用？まさか告白？ごめんなぁ、そういうの受け付けてないんよね〜｣
｢は、何言ってるんですか。私が告白とか馬鹿にしないでください。｣
私がそういうと、志麻から｢は…？｣と間抜けな声が出る。まさか本当に告白されるとでも思っていたのか、実際されるけど、自覚済みはキツい。
｢私じゃなくて、この子です。｣
後ろの影から有紗が出てくる。それを確認すると｢じゃあ、これで｣と言い捨てて、最後に有紗に｢頑張れ｣と耳打ちをする。
あとは、有紗次第。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴぁ(プロフ) - 鈴火@ラさん» 書いた私が言うのもなんだけど見習いたいです……ありがとうございます！頑張ります！ (2018年9月2日 17時) (
レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
鈴火@ラ - まふく…うぅ、いい子。応援してます、更新頑張ってください！ (2018年9月2日 17時) (レス) id: ffc90a8b20 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぁ(プロフ) - 麗音さん» 有紗ちゃん()…わー！ありがとうございます！嬉しいです！頑張りますー (2018年8月28日 19時) (レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - うわあお…有紗ちゃん…わあ…(語彙力)読んでいて面白いです！更新ゆっくり待ってます♪ (2018年8月28日 17時) (レス) id: 27af552c6a (このIDを非表示/違反報告)
ぴぁ(プロフ) - にんじんさん» ありがとうございます！志麻さんいいですよね(´ω｀)頑張ります！ (2018年8月10日 16時) (レス) id: 84d5814917 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
