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「ねぇ、お酒ないの」
「お酒？ 飲む気？」
外で飲むことはあっても、陸がウチでそんなことを言い出したのは初めて。
「うーん、ちょっと飲みたい」
「…焼酎だったらあるけど」
「あ、それでいいよ」
ソファで待ってる陸の前に、焼酎のビンと氷を入れたグラスを置く。
手酌で焼酎を注いでるのを向かい側で立ったまま眺めて。
「水かなんかいる？」
「ん、ロックでいいや。 ちょっとAも座ってよ」
そう言って隣をパシパシたたくから、腰を下ろした。
「…そんな辛かったの？」
「いや、そういうわけでも…ってのも失礼か」
「急にお酒なんて言うからすごいダメージだったのかと思った」
「あー、うん、んー…あの、…」
何かを言い淀んでるのを黙って待っていると、手に持っていたグラスを一気に呷った。
「ちょっと、大丈夫？」
「ん、かっこ悪いけどお酒の力を借りる！」
さらにグラスに焼酎を半分ほど注ぎ足して、でも口には運ばずテーブルに置いた。
「俺、考えてみた」
「うん」
「ここ何年もさ、なんか誰と付き合っても別れても…あんまり気持ちが動かないっていうか」
「…うん」
「なんでかなーって考えて……で、今回は俺の方から別れてほしいって言った」
あーなんかわかるなぁ、なんて内心頷いてたけど…。
え、フラれたんじゃなかったってこと？
「ごめん、嘘ついちゃった」
「それは別にいいけど」
「…これから話すのは俺の本心。 考えてわかったことを発表します」
「はい、どうぞ」
なんだかすごい仰々しい感じになってきたけどなんなの。
妙に緊張している様子の陸に、こっちがドキドキする。
大きく息を吸って、そして吐き出す勢いにのせて、
「Aが好きです！」
「え？」
とんでもないことを言い出した。
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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…！ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました！ (2020年6月7日 21時) (
レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは！お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください！猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます！ (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょる | 作成日時：2020年3月1日 21時
