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「元彼」な男友達とのお話(r.a) ページ2

「A〜」


金曜、夜8時過ぎ。

情けない顔で部屋に訪れたのは、『元彼』兼『男友達』の、陸。


元彼といっても、そう呼んでもいいのかもわからないくらい。

中学3年のほんの一か月。
確かにお互い好意はあったから、周りに囃し立てられるまま流れで付き合った。

でもそこは恋愛初心者も初心者。

付き合うってどうするの? 状態。
顔を合わせるだけでも恥ずかしくなっちゃったりして。
自分たちは『オトモダチ』に戻った方がいいかもね、なんてすぐに終わった。


「…また別れたの?」

「そう! いや〜かなりイイ感じでいけてると思ったんだけどな〜」


お茶を淹れながら話を聞けば、また付き合っていた彼女と上手くいかなかったらしい。


「はいどーぞ」

「お、ほうじ茶だ! 傷ついた心に沁みるわ〜」


高校、大学、就職と、環境が変わっていっても友達付き合いは途切れることなく。
その間私のポジションは、一番仲の良い女友達ってところ。

あれから恋愛やら何やら…たくさんの経験をお互いにしてきた。

少しずつ大人になって、楽しい恋の先にはほろ苦いものもたくさんあると知った。
それから…今更打ち明けられない、痛くて苦しい想いがあるってことも。



「あー…なんでいっつもフラれちゃうんかな〜」

「まずさ、次から次っていくのやめたら?」

「そんなさぁ、人を節操無しみたいに言わないでよー」

「好きって言われた〜付き合う〜ダメになった〜、の繰り返しじゃない」


見た目も良くて、人当たりのいい陸はとてもよくモテる。
だからって相手のいない時に告白されるとすぐに「いいよ」と応えるのはどうなの。

もし…もしも今私が言ったなら、同じ返事が返ってくるのかな。
それはそれでちょっと…ね。


「Aだって長続きしなくない?」

「私はいいの」

「あー! そうやって自分にだけ甘いー!」


だってしょうがない。
誰と付き合ったって、それは陸じゃない。

これが不毛な恋ってやつだ。もうやめちゃいたい。

いっそ本当に言ってみちゃおうか。
いやいや無理でしょ…と、脳内会議はいつも意見がまとまらない。

・・→←!注意書き!



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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時

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