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人差し指の背を頬にすべらせ、そのまま少し開いた唇をむにむにと押してみる。
うっとおしかったのか、また向こう側に寝返りを打とうとしたからこちらへ引き寄せた。

若干ぐずるような素振りをみせるA。
それがまた可愛くて…髪を撫でながらひとりニヤニヤしてる俺。
気持ち悪かろうが誰も見てやしないから構わない。



お互いこれまでそれなりに恋愛をしてきた。
だから恋人同士の色んなあれこれも他の誰かととっくに経験済みだったわけで。

タイミングを計りながら手を繋いだり。
前の日から着ていく服に悩んでデートをしたり。
そろそろいいかな、なんてキスをしたり。
心臓をバクバクさせながら身体を重ねたり。

つまり、Aのそういうたくさんの『はじめて』を一緒に経験することはもう叶わない。
こればっかりはほんと、お互いさまで今さらの話。

だからさ。


「…Aの『さいご』は全部俺にちょうだいね」


勝手な願いが叶うようにと、そっと唇にキスを落とした。



end

親友だという彼とのお話(t.s)→←「女友達」だった彼女のお話(r.a)



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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時

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