第67話「だいしゅきホールド」 ページ46
「…そりゃ怖かったよ」
トン、と灰皿に灰を落とし再び吸う
一松は私を一瞥すると、同じように吸った
「の割にはよくあんなペラペラと喋れたね、なに?殺されたくなかったから必死に考えたの?」
「確かに殺されたくなかったけど、あれはちゃんと本心だから」
「ふぅん…どーだかねぇ」
ハッ、と嘲笑いタバコを灰皿に押し付け火を消す一松
私のも短くなってきた
「でもさ、やっぱり私じゃないんだよ」
「…なにが?」
「カラ松のこと救えるのは、私じゃないんだよ」
「じゃあ誰」
「君達六つ子」
「……」
確かにカラ松が私を必要としてるのはわかる
けどやっぱり、私よりも兄弟が必要なのだ
ひとりの私の声より、五つの声の方が大きく強く響く
きっと私じゃカラ松を満たせない
傷を埋めてあげられない
傷をつけるのもアイツらだし、それをまた癒せるのもアイツらだけなのだろう
6人で1つなのだから
傍から見りゃ私はただの他人
アイツらは血の繋がった兄弟
20数年共にしてきた兄弟に、私が勝てるはずが無い
「だから、仲直りしてあげてくれないかな」
「……」
私じゃ無理だから
「…そろそろ帰る」
「うん、気をつけてね」
「ベランダちゃんと閉めときなよ」
「わかった」
パタンと閉じたベランダ
鍵をかけカーテンを閉じると、考えるのをやめて私も部屋へ戻った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ジリリrドゴッ!】
「……」
頭上で響いた目覚ましの音
それを殴って止めさせると、むくりと上半身を起こした
あー寝たい、会社休みたいニートになりたい
会社好きだけどこういうのめんどいよね
始業時間もうちょっと遅くてもよくない?
アメリカとか外国だと10時からとかが普通だよ?
何なの?日本バカなの?
なんて文句を頭で並べながらスーツに着替える
荷物を持って下へ降りると、いい匂いが漂ってきた
「A、おはよう!」
「Aちゃんおはよう!!」
「おはy…」
2人の格好に、思わず動作が止まった
「動きずらくない?」
「そうなんだ…でも離れてくれなくてな…」
むぎゅぅ…とカラ松の背中にしがみつく十四松
よく落ちないね、十四松
そんでもって、よく普通に動けるねカラ松
「十四松、本当にそろそろ離れてくれないか?」
「やだ!!」
即答で断られた
「だって約束したもん!ずっと兄さんの傍にいるって!!だから離れない!!」
「「ン"ッ」」
天使すぎて朝から鼻血出そうになった
第68話「死屍累々」→←番外編「チキチキ☆ニートラジオ 4」
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炉夜 - おそ松さん2期OPを聞きながらこの小説を読んでる私は幸せ……でありたい(2日後中間テストの人) (2017年11月20日 1時) (レス) id: 299a7e3fab (このIDを非表示/違反報告)
全松girl(プロフ) - 『花より三色団子』の舞台って、東映太奏映画村(とうえいうずまさえいがむら)ですか?漢字違ってたらごめんなさい! (2017年1月12日 0時) (レス) id: 423ee50578 (このIDを非表示/違反報告)
さいか - ウォルトなんとか人間何回も泊まったことがあります。凄くてやばかった。(・ω・)ノ (2017年1月6日 0時) (レス) id: 400d8d3ea4 (このIDを非表示/違反報告)
阿修羅丸 - とてもおもしろいです。ドハマりしました! (2016年6月24日 15時) (レス) id: 304e2b5179 (このIDを非表示/違反報告)
松野七松(プロフ) - ひょえ−、女の嫉妬って怖いねぇ。フッ、心配ないさ、なぜならカラ子一途だからね!どうせならそのままゴ−ルイ))殴and蹴すみません、もう何も言いません。 (2016年6月14日 0時) (レス) id: e4fa147493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イバラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時:2016年4月8日 5時