耳の聞こえないボカロPと黄色い彼 【センラ】

17話 ページ21

貴女side



結局ずっと私が足を引っ張り続けて完成した、


いや。申し訳ない。

なんかしないと、、、



その時スマホが振動した。

船くんからだった。



船 じゃあ、俺帰りますね

待って。って声に出せたらいいのに。


A ご飯食べていきませんか？


船くんは驚いたような顔をしたけどすぐに笑顔になっていいんですか？と返した。



私はそれに、笑顔でもちろんと返した。



ん？


んんん？


船くんも驚いたような顔をして


船 今、喋れましたよね？！

え？
しゃべれた。
声がでた。





こんなにも嬉しい事なんだ、声が出るのは。

声が出たら耳も少し聞こえるような気がした。




センラside

今、先輩が、、、、喋った、


とても透き通っている声でずっと聞いていても耳が痛くならないような、触れればすぐ消えてしまうような声だった。



先輩は顔には出していなかったが、心做しか口が綻んで見えた。

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