【文スト】猫化した (ページ44)

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太宰さんsaid ページ44

太宰said

この気持ちは何なのだろうか……

今まで私はこんな気持ちになったことは無い。

社長室のドアを閉め、部屋の外で待つ。

社長がAちゃんと二人きりで話がしたいといい出したからだ。

何となくこう来るとは思っていたから、すんなりと私は外へ出て、話が終わるのを待っていた。

目の前の廊下に腰掛けて待っていると、部屋の中の様子が何やらおかしい。

こう見えて、耳はいい方だと思う。

静かになったのだ。

それよりか、静かすぎる＿＿

今まで、質問やら、なんやら聞いていた社長の声は聞こえなくなり、しんとしている。

不思議に思った私は、ドアの隙間から中の様子を覗いた。

すると、Aちゃんが社長に撫でられている姿が目に入る。
とても気持ち良さそうだ。

バレないようにしているのかは謎だが、猫が好きな社長の事だ。やるとは思っていた。

だが、それにAちゃんが応じるとは…
まぁ……なんとも言えないが。

そして気がつくと私はドアにノックをかけていた。

何故ここでノックをしたのか、自分でもビックリしていた。

少しの間が開き、中から社長の声がする。

中に入ると、びっくりした様子のAちゃんと
顔をこわばらせた社長がいた。

とりあえず、声をかけなければと思い声をかけた。

太「……お話……終わりました?」

この時、どこか安心した様子で私を見つめるAちゃんが目に入った。

社長は「あぁ……」と短く言ったが、なにか様子がぎこちない。

太「……何かありました?」

私のこの発言により、社長の方が一瞬バウンド。
(見る人によれば分かるらしいよ)

その後はAちゃんの事を、私に任せると言ってくれた。これで、きちんとした依頼ってことになる。

Aちゃんの事を私が受け持てるって事に関しては凄く嬉しい気持ちがあるけど、何かが引っかかる。

この感じは何なのだろうか＿＿

何かモヤモヤしている感じだ。

こんなのは、初めてだよ。

腕の中で、ホットしたように私を見るAちゃんは、〈私頑張ったよ✨〉とでもいいたげな顔をしている。

その姿が、猫なのに人間の時の彼女のようで、思わず見とれてしまった。

とりあえず、私の机の上に下ろし、頭を撫でる。

頭を触られるのは気持ちいのか…

私の手に顔をすり寄せてくるんだから、可愛くないわけが無い。