あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ36)

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健人｢Aに何した｣

風磨｢なに本気にしてんだよ。笑

今の冗談なんだけど｣

健人｢…Aと会ったんだろ？｣

風磨｢おまえもしつけぇなぁ。

彼氏ならあいつのこと信じて

探してやった方がいいんじゃねぇの？｣

健人｢……っ｣

こいつとなんか話したくないのに、

Aを探しに行くその一歩が踏み出せない。

それより、今は

こいつの口から本当のことが聞きたい。

風磨｢さっき、俺に(人2)との

キスを見せつけたあの強気なお前は

どこ行っちゃったんだよ。笑

まさか、そんなことで

俺の気持ちが揺らぐとでも思ったのかよ。

…ったく、俺もなめられたもんだなぁ｣

健人｢……俺のこと、恨んでるの？｣

風磨｢はぁ？｣

健人｢…俺が(人1)の元カレだから

恨んでんの？｣

その時、こいつの顔が一瞬歪んだのを

俺は見逃さなかった。

健人｢……俺は本気だよ、Aのこと｣

そう言うと、

こいつは何かが吹っ切れたように

目つきを変えて言った。

風磨｢じゃあ、お前に

本当のこと教えてやるよ。

さっき、(人2)に会った｣

健人｢……それで？｣

風磨｢好きだって言われた｣

健人｢……っ!!｣

風磨｢好きなのは俺だけだってさ｣

そう言って、呆然と立ち尽くしている

俺の横を通り過ぎて行った。

込み上げてくる怒りと悔しさに

耐えきれなかった俺は、

あいつに電話をかけた。