あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ12)

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ｶﾞﾁｬｯ

「遅くなってごめんねー。

HR長引いちゃってさ」

「あれっ、２年生二人だけ？」

先輩たちが体育館に入ってきた。

「風磨ー、お前彼女いるくせに

何やってんだよー笑」

男子の先輩たちが彼を

からかった。

「別にそんなんじゃないっすよ。笑

たまたま二人しかいなかったんで

自主練してただけっすよ」

そんなに否定しなくたって

いいじゃんか。

ちょっとくらい照れくさそうに

してくれたっていいじゃんか。

「風磨が浮気してるよー笑」

「本当に違いますから！笑」

よくわからないこのもやもやした気持ちを

彼は気づいてくれなかった。

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練習が終わり、下駄箱に行くまでの道を

なぜか二人で歩いていた。

『ねぇ、なんでいっつも

スマホいじってんの？』

「(人1)とLINEしてるから」

『ずっと？』

「もち」

『え、まって。

"ずっと"ってどのぐらいずっと？』

「四六時中ずっと」

…はぁっ！？←

『一緒に登下校してて

四六時中ずっとLINEしてて、

よく飽きないね』

「飽きるよ。

でも、俺は飽きさせないから」

『どういう意味？』

「俺は飽きても(人1)は

飽きないってこと」

『なにその自信。笑』

いいなぁ、(人1)は愛されてて。

と、なぜ思ってしまったのか

自分でもわからなかった。

「でもさ、あいつ

最近めんどくさいんだよね。」

『なんでよ！笑

(人1)いいじゃん！

あんなに理想的な子いないよ？！』

「お前何もわかってねぇな」

『なによ！

そんなこと言ってると

風磨のポジション奪うぞ！笑』

「いーよ。

全然あげるよ、あんなやつ」

正直、彼から

そんな言葉聞きたくなかった。

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