あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ15)

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-体育祭当日

教室では、朝から女子たちが

化粧したり髪を巻いたりと

なぜか気合が入っていた。

なんて言っておきながらも、

私自身今日はいつもよりも

化粧が濃かったりする。←

人のことを言えないくせに

周りを見下していた私は

その場にいるのが嫌で、

教室から出た。

「お前バケモンかよ」

すると、教室の前に立っていた彼が

私を見て言った。

「お前たたでさえ化粧濃いのに

なんで余計濃くすんだよ。」

『いいでしょ、別に』

「お前、影でなんて言われてるか

知らねぇの？」

『知らない。

てか、知りたくもない』

「なら、そんな濃い化粧すんのやめろ。

あ、あと髪も黒くしろ」

そう言って彼は

スマホをいじりながら

その場を去った。

『…』

化粧濃いって言うけど、

ただカラコンしてつけました

だけじゃんか。

髪だってちょっと茶色いくらいで

騒ぐようなことじゃない。

なのに、なんであたしの事ばっか

悪く言うの。

最初は心配してくれてるんだろうなって

思ってた。

でも、さっきので確信した。

きっと、彼は私のことを

見苦しいと思ってるんだ。

『…てか、なんであんなやつの事ばっか

気にしてんの。』

まるで、あたしがあいつのこと

好きみたいじゃんか。

そう思った時、顔が赤く火照るほど

熱くなった。

『…まさか。』

そんなわけないじゃん。

第一、あたしはまだ元彼のことが

忘れられなくて…

あれっ。

最後に元彼のことを思い出したのって

いつだったっけ。

かなり前の記憶な気がする。

『……そんなわけないよね』

絶対に信じたくなかった。

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「ついに本番です。

全力を出しましょう！

いくぞ！！」

「「「おーー！！」」」

先輩たちの掛け声とともに

私たちはそれぞれの配置へ向かった。

「おい、(人2)！

お前ここだぞ」

『あ、そっか。ごめんごめん。笑』

なぜか彼の言葉に妙に反応してしまう。

隣だというだけで

余計に意識してしまう。

「緊張してんの？笑」

『は？笑

んなわけないじゃん』

なぜか彼を見つめることが

できなかった私は、

彼と目が合った途端に

目を逸らしてしまった。

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