氷の人魚姫《6》

ep.122 妨害ストラテジー！ ページ27

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「あー、そこの小魚ちゃん。
それまだ仕上げの調味料かけてないから運ばないで」


「し、失礼しました！」


「モルグアーナ、
オーブンに入れてた野菜焼き上がったぞ」


「ありがとジーン。
それはもう味付けであるから、テーブルに並べて」


「わかった」




それから私達は、行進の準備をしていた
スカラビア生達に
半ば強引に朝食の給仕をさせていた

どうやって説得したかは、
フロイドがいる時点で皆さんも想像に難くないだろう


ここにはクラスメイトも居てくれて、
私的には入り込みやすくて助かっている。




「ちょ、朝食の準備が済んでいる…だと……！？
これは君達がやったのか、フロイド、グレース」




あら、随分早かったな。

まあいいや。もう料理はほとんど終わってるし




「ウミヘビくんおはよぉ〜」


「ジャミル先輩、おはようございます」


「ご飯はね、俺とグレース、
それとスカラビアの小魚ちゃん達が作ったんだ〜。
アズールがさぁ〜
ウミヘビくんを助けてあげたーいって言うから」


「ウチの寮長は慈悲深い人なので」


「そ、そんな…客人を働かせるわけには」


「別に俺ら客ってわけでもなくない？
合宿相手じゃん」


「でも、カリムは俺が作ったものしか食べないんだ。
毒の心配があって…」


「は〜？なにそれ、俺より偏食かよ。
つか毒とか入れてねーし」


「ならジャミル先輩、毒見をして頂けますか？」


「名案〜！ウミヘビくんのお墨付きがあれば
ラッコちゃんも食うっしょ」


「それは…そうかもしれないが……」




うーん、まだ足りないか？ならもう一押し！




「ねえジーン。さっき出来た野菜のグリル、
ジャミル先輩に味見してもらったら？」


「そうだな。副寮長、お願いします！」


「うっ。わ、わかった…」


「副寮長！このスープ、
美味しく出来たと思うんですが、どうでしょうか！」


「わかった！順番に毒見するから」




外部の私達が出張ってもしょうがない。

こうして、使えなくとも内部の人間を使った方が
上手くいくことが多い


……これ、兵法の鉄則ね




「そう言えば、今日の朝のオアシスまでの行進準備は
出来ているのか？
いつも朝食は行進の後なのに…」


「その件についてですが、僕から
カリムさんへ改善案を提案いたしまして＿＿＿＿＿」




さあ始まったぞ、ジャミル先輩妨害計画が。

貴方はどこまで耐えられるかな？




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