氷の人魚姫《6》

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それから、アズール達は
ジャミル先輩を無理やり談話室へ連れ出して
マンカラの相手をしてもらっている。

私はその横で、談話室にある本を熟読していた




「やった〜〜！今回は俺の勝ち！これで3勝！」


「集中力が高い時のフロイドは、やはり勝負強いな」


「また負けた…アズール容赦ねーんだゾ！」


「これで僕は5勝0敗。
まあ、ボードゲーム部としては当然の結果です」




ジャミル先輩、2勝3敗か…




「ジャミル先輩、この7巻ってどこにありますか？」


「もうそこまで読んだのか…！」


「速読が得意でして」


「流石だな。7巻目からは隣の本棚だ」


「いやはや、とても面白いですね千夜一夜物語」


「気に入ってくれて何よりだ」




本棚の近くのソファに座る私と、
少し離れたテーブルで談話をしているアズール達。

私は本も読みながら、彼らの話を聞いていた




「カリムさんとは幼い頃から一緒に育ったのですね」


「それこそ、物心つく前からだったな。
…そう言えば、君達オクタヴィネルの4人も
幼馴染だったか？」


「そうらしいねぇ〜」


「なんで他人事みたいに言うんだゾ？」


「俺達とアズール、エレメンタリースクールから
ずっと一緒のクラスだったらしいけど、
俺、アズールを認識したのミドルに入る直前だし」


「卒業直前までクラスメイト認識しないとか…
興味の起伏マリアナ海溝ですね」


「だからあんま幼馴染っぽい思い出とか
無いって言うか。
なんなら、グレースの方が
俺らよりも前からアズールと一緒にいたしね〜」


「と言っても、私だって
エレメンタリースクールの中盤くらいからだよ」




補足を入れる

急に会話に入ってきたからか、
ジャミル先輩は私の方を少し驚いた表情で見た

他の3人と一匹は、私に慣れているからか普通だった




「僕、それはそれは大人しいタイプだったので
目立たない生徒だったんですよ」


「別の意味で目立ってそうだったけどな。
主に横幅が＿＿＿＿＿


「グリムさん、
それは内密にと何度も言いましたよね！」




「なのに今は君が寮長？随分と不思議な関係だな」


「そぉ？今はアズールの言う事聞いてるのが
面白いからそうしてるだけ」


「まったく同じ意見ね」


「ジェイドもフロイドもグレースも、
僕に服従している気は無い。
彼らにとっては、そういう“ごっこ遊び”なんですよ」


「主従ごっこ、と言うことか？益々わからない」




主従、ねえ…。それも何か違う気がするけど




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