氷の人魚姫《6》

ep.111 到来ホリデー！ ページ2

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私の思う、陸における不思議な現象

一つ目は空に浮く水蒸気の塊、雲。
二つ目はその雲から落ちてくる水滴、雨。

そして三つ目、気温の低下により
雨が小さな氷の粒となり空から降り注ぐ現象……そう




「雪だっ…！」




ここは陸の魔法士養成学校、ナイトレイブンカレッジ

私はここで、生まれて初めて雪を見た




「そっか、グレース雪見るの初めてだもんな」


「うん、すごい神秘的」


「海には雪が降らないもんな」


「マリンスノーって言うのはあるけど、
本物の雪は初めて見た…」


「それにしてもホリデー前の今日、やっと初雪か」


「賢者の島は初雪遅ぇーのな」


「僕のところは11月には降ってたな」


「俺もそんくらい」


「僕の世界はこれくらいだったなぁ」


「エース！窓開けて！」




三人の思い出話はなんのその

私は手の届かないところにある鍵の解錠を
エースにせがんだ




「はいはい…、って危ね！落ちるだろ！」


「落ちないって！…冷たい！すごいよエース！
本当に空から氷が降ってきてる！！」


「わかったから！
わかったから窓から身を乗り出すなって！」


「雪雲の中はどうなってるのかな…
ちょっと私箒で雲のところまで行ってくる」


「お前何考えてんの！？
おいデュース監督生！見てねーで手伝って！」


「ちょっと雲まで飛んでくだけだって！」


「お前こーゆー時だけ
精神年齢下がるのホントやめろよな！」


「そろそろ僕達も鏡の間へ行くぞ！」


「クルーウェル先生からハメを外しすぎないように
って言われたばっかだよ！」




私は三人に窓からズルズルと引き剥がされる

そして帰省に闇の鏡を使う為
鏡の間までいつもの四人と渋々歩いた




「ホント陸一年生だよな」


「知らない事を知る。新しい世界に触れる。
とても面白い事じゃない」


「出た、面白い。この好奇心人魚」


「その“面白い”って言う言葉は
グレイとグレースの唯一の共通点だよね」


「“面白い”か、そう言えばずっと言ってるな」


「まあ、私の原点みたいなものだからね」


「そういやグレース、帰省の荷物は？」


「無いよ、だって私帰省しないから」


「そうなのか？どうして＿＿＿＿


「あはっ、理由知りたいのぉ？サバちゃん」




デュースの言葉に被せるこの声は…




「げっ！フロイド先輩…」


「フロイド、どうしてここに？」


「帰省する奴らを最後にイジっとこーって思って」


「じゃあジェイドも一緒か」


「正解です」




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