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前に先輩が植えた花は、前の彼女が好きだった花。
見てるこっちが呆れてしまうくらいに愛情込めて育てていた。
植物、というよりも、彼女に向けているように。
確かにそれに愛着とか、分身とか、愛でてるとか言われたら、複雑な気持ちになりそう。
けれど、
A「先輩と比べたらそりゃ口数少なくなりますよ。」
光「えー、俺だってそんなに喋ってな……、」
A「そもそも先輩の一言で前の彼女に繋げて動揺するなんて、今更。」
光「うっ…………！」
A「先輩は全部話してくれたでしょ？それ、信じていいんですよね？」
光「当たり前だろー！！」
この間、私と話をするよりも前に、前の彼女さんへはっきり返事をしたと教えてくれた。
もう曖昧な気持ちはなくて、きっちりと全てを終わらせたと、先輩はそう言ったから。
A「じゃあ、信じます。」
先輩がバカ正直な人だ、って、知っている。
だからこそ、曖昧な気持ちのまま私と一緒にいることを悩み続けていて。
隠しているつもりでも、態度にも表情にも出てしまう。
真っ直ぐな人だから。
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作者名：環
| 作成日時：2019年11月6日 20時
