フェイクラバーズ②…Yuri.C (ページ44)

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A「……侑李と逢うのも就活の内なんですー。」

受験と違って予備校に通うわけでもないんだから、と付け加えるのは不服な表情で。

侑李は短く喉を鳴らしてから続ける。

侑李「逢えないと寂しい、とか言えないわけ。」

A「っ、」

一瞬、言葉に詰まる。
それは不意打ちの言葉だった。

しかし、侑李の表情は相変わらず意地悪なもの。

つまり、その台詞はどうしようにも冗談の範疇を逸しないということだ。

A「……何、言ってほしいの？」

だから私は、肩を竦めてそう言ってやることしか出来ない。

侑李から聞こえてくるのは、ご機嫌麗しく弾んだ声だった。

本当に問いたかったのは、

そんなことではない。

逢えないのは寂しい、

なんて言っていいのか。

そう聞きたかった。

A「…なんてね。」

もう１つ、痛いほどに分かったこともある。

侑李のことを好きだと自覚すればするほど、
痛感させられる。

これは、侑李が求めている関係ではない、ということを。

侑李が望んでいるのは、
お互いにつかず離れずの関係のはずだ。

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