フェイクラバーズ②…Yuri.C (ページ45)

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いつか彼にぶつけた問い。

好きでもない私と恋人なんてしていて虚しいとは思わないのか、と。

侑李は、私たちは。

普通のカップルと然程変わらないと言った。

どのカップルにも、付き合い始める大した理由などない。

お互いを好きで付き合い始めるカップルなど、ごく一部に過ぎない。

だから私たちは、
一般のカップルとなんら差異はない。

ーーーーーそこまでは良かった。

重要なのは、その後の侑李の台詞。

『一方だけが別の相手を想ってるなら変だけど、僕たちはお互いに別の相手がいる。

利害が一致してる分、変に気兼ねしなくていいわけだし、』

そう。

私たちにはそれぞれ別に、好きな相手がいた。

『お互いに対して必死になる必要がないから、やりやすいし楽だし、』

必死にならなくて済む、適度な距離感。

かつての私たちには、それがあった。

『踏み込み過ぎない、踏み込まれ過ぎない。一緒にいたい時にいればいい、』

確かに、私たちはお互いにお互いのために頑張りすぎることがなかった。

お陰で気兼ねすることもなかったし、
肩に力が入ることもなかった。

お互いの些細な行動を一々気にすることもなかった。

自分の言動によって、相手が何を感じるかということを懸念することもなかった。

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