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電気の消された部屋の中、静かに目を閉じる。
ドキドキと高鳴り出した胸を手でそっと押さえた。
(大ちゃんが、本当に今日うちに来たら、驚くかな。)
想像して、
緊張のあまり興奮している自分に気が付く。
大ちゃんがうちの家のドアを開いて、
部屋で呆然とする姿を想像すると
申し訳なさが込み上げてきた。
うちまで車で30分かけて、来ていたら。
そこまでして来てくれるっつーのは…愛されてるって思っても…いいの、かなぁ？？
雄也の言葉が脳裏を過ぎり、罪悪感に胸が痛んだ。
(折角、会いにきてくれたなら…大ちゃんに、申し訳、ない、なぁ。)
仰向けに寝ている体を横に向ける。
それから直ぐに脳裏に別の考えが浮かんだ。
こんなふうに突然いなくなったら…
大ちゃんはもう、
私の所に来なくなるかもしれない。
(…ダメだ。)
これじゃ自分以外にも、
同じような人がいると認めているようなものだ。
結局ソファーの上では光くんが寝ていて、
上からも隣からも寝息が聞こえている。
そっと息を殺しながら枕元のスマホに手を伸ばした。
(メッセージくらい、…。)
手に取る直前で、睡魔が襲ってきた。
もう眠い。
何ヶ月も寝不足が続いていたからか、安堵して眠れることに頭より先に体が休息を求めている。
指先から感覚が消えて、それを感じるより先に、
意識が奥深くに沈んでいった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月28日 23時
