私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？漆っ！

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骨董市が開かれているだけあって
金楽寺はいつもの静けさとは打って変わって
まだ店が開く前であっても既に多くの人で賑わっている


ここに来るのは座禅をしに行って以来だろうか？
なんて私こと、鉢屋三郎はそう考えながら
雷蔵達と共に金楽寺の門をくぐり
ここの管理者である金楽寺の和尚様へとご挨拶を済ませた


金楽寺の和尚は学園長先生の友人として特別
売り捌くにはもってこいといった場所を我々に貸し出してくれたのだ
これならば、いくら学園長先生のいらない私物とはいえある程度は売れそうだ




ここまで運ぶのに階段を何往復もした商品を
後座に敷き並べば
それなりに店に見えてくる

そして、並べ終えて
ひと息つけたなと思った頃には
金楽寺の鐘が鳴り、骨董市の開始を告げた



開始してからは
順調に物が売れていっている


雷蔵もAも感じがよく
ご年配の方々に愛されるような性格のため
金楽寺へと訪れる最も多い客層の心を鷲掴みにしていた

そして、それ以外の若者、もとい女性のお相手は私が行っている
まぁ、別に好き好んででやっているわけではないが
適材適所というやつだろう
幅広く客を相手にするなら必要なことだ





だからこそ
一つ気になることがあった







「A








なんでお前そんな地味な服を着てるんだ」





こう問いかけた理由？
そんなの若い男の客を引っ掛けるのに
Aという存在が使えそうだからだ

まぁ、確かに顔は普通だぞ
こいつは

だが、こいつが男を引っ掛けられないという訳ではない
こいつの魅力はおそらく所作だろう
実際そういったところがご年配の方々に愛される理由の一つでもある
これはおそらく若い男にも通用する

しかし、それにはある程度の華があるからこそ
その所作が輝くのだ
なのにこいつが今日着ている物は
はっきり言って地味な色をしている

これでは通用するものも通じない



「お前、肌の色からしても
もう少し明るい色の方が似合うだろ」



変装の達人と呼ばれたからには
私は様々な人間の観察から得た情報が私にはある
こいつの肌や髪の色、目の色からも
似合う色は見当がつく



まあ、だからなんだ…
つまりだな…






『多少は見繕ってやろうと思ったんだ』




大体、こいつがなんでこういう着物を選んだのかも想像がつく




「え？そう…ですか…？
明るい色はなんだか私には似合わなくて…もったいないような気がしてて…」

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