私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？漆っ！

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夏のお祭りのような人混みの中
それなのにやたら彼がいる場所は目立つなぁ…
というのが遠くからその場へと向かおうとしている
自分の心情だ


そんな彼もお客さんである一人の女性に
見事、商品を売り終えたのだろう
視線をこちらへと向けて私と雷蔵くんの帰還に気づく


「お？帰ってきたか
ちゃんと捕まえてきただろうな？」

「いやぁ…どうでしょう…？」

「どうでしょうってお前なぁ…」



彼の言葉を聞いて
ようやく私も思い出した


そういえば客を連れて帰ってこいと
そう言われていたなぁ…
全く宣伝していないわけではないけど
自信があるかと言われるとそうでもない
そのため、私は一目瞭然の誤魔化しではぐらかす

もちろん三郎くんがそれを許すわけがない
はぁぁとため息をついては
背を丸めてこちらを見てくる視線に圧を感じる


困ったなぁどうしよ…


そんな私の気持ちを
手に取るようにわかっているのか
雷蔵くんが見かねて助け船を出してくれる




「そう言うけど順調に物は売れてるみたいだし、そんなに若い男にこだわる必要ないんじゃない？
三郎？」

「まぁ、雷蔵がこう言うから多めに見てやる…




ん？お前それ…」



やはり彼はとことん雷蔵くんに甘いらしい
彼が言うだけで事態は沈静化
私もこれに対して「しめしめ、これで私は小言を言われずに済むぞ」と内心でほくそ笑んでいたところ

鉢屋くんが私の頭を見て先ほどとは違う変化に気づいた
うっ、なんかまた言われそうな予感…！！
とは思いつつも気付かれたものはしょうがない…
ここは適当に流そう


「あ、先ほど見かけて…購入したんです
せっかくなので」

「へぇ〜やっぱりお前趣味はいいな

似合うんだからこれからもちゃんと付けろよ」


「は、はい…」



お、おっと〜！？！？！！？
これは予想外なんですが〜！？！？

いつも姑か！！と言いたくなる小言ばかりを言う三郎くんなのにこういう時は素直に褒めてくれるから
なんだか自分でも驚くほど
その言葉に喜んで浮かれている自分がいる
…少し恥ずかしい


そわそわした自分の気持ちを紛らわすために
髪をいじいじと弄っていれば
そこへ金楽寺の和尚様が私たちの方へと手を静かに振りながら、ゆっくり近づいてきた


「お〜いたいた君たち探していたんだ」


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本当に更新がずっと止まってすみませんでした…！
また頑張ります!

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