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「あ、雷蔵くんこれとかどうでしょう?」



じ〜〜っと男の方に視線で圧をかけていた僕の裾をAがちょいちょいと引っ張って
手元に持っている本を僕に見せる

僕も中身を見ようとAに近づけば
それだけ自ずと距離も近くなる


「ん…?あ…嗚呼…見せて


へぇ〜これ確かに貴重な本だよ
よくあったなぁ」

「だよね!」




「中在家先輩にも喜んでもらえるといいなぁ…!」と喜んでいるAを微笑ましく見ていたら
今度は逆に僕が前の方から視線を感じた


もちろん、それは店主の男のもので
こちらを見る目から焦りを感じている








『いい気味だ』






そう思った僕の口角が少しだけ上がるのが
どうやら男にもバレてしまったらしく
男は苦い薬でも飲んだような顔だ


この距離の近さ
君では無理だろ?僕?
だって僕は【友達】だもん
当然だろ?


そんな友達のAはというと
目の前に男のことなんか気にも止めず
本の次は別の掘り出し物をどうやら見つけたらしい





「あ…髪飾りも売ってるんだ…可愛い…」





独り言のように呟いた言葉に反応して
見てみると
確かに本が並んでいるところよりも奥に
色とりどりの髪飾りが並んでいる


商品の並びから見て
この男も僕らと同じように家族から頼まれて
今日の骨董市に参加したのだろう



Aはやっぱり女の子だからか
その髪飾りたちに目を奪われている

そのうちの一つを手に取って見て
どんなものなのか
僕はよく見てみることにした


「あ、ほんとだ
これは朝顔かな…?」



僕が最初に手を取ったその髪飾りは朝顔の造形をしていて
男の僕でも確かにこれは綺麗だと思わされる物だった



「こっちは紫陽花です
どれもお花を準えた物なんですね」




Aが言うように
確かにこの場にある髪飾りはどれも花の造形をしているものだった
おそらく持ち主は花が好きな人間だったのだろう




Aは髪飾りを空の光に透かして
また「本当に綺麗」と呟き眩しそうに見つめては
僕の方の髪飾りを見て
今度はこう言った

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有栖川鳴花(プロフ) - エッっっ?!今日全シリーズ5周目読み終わったと思ったときに通知きて更新でビビりました。やーん大好きですこれからも陰ながら応援しています〜!! (3月26日 22時) (レス) @page23 id: 6949a73177 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - この作品本当に大好きなので久々の更新嬉しすぎます…!!これからも頑張ってください✨ (3月26日 22時) (レス) @page23 id: 1b249669ed (このIDを非表示/違反報告)
りん - 応援してます!更新頑張ってください!! (2月11日 23時) (レス) @page21 id: 5973ca5896 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - ここまでずっと愛読してきましたがこの回だけはずっと忘れられません!最近あまり投稿されてなさらないようですがこれからも頑張ってください!これからもきゅんとするようなお話待ってます! (11月19日 22時) (レス) @page6 id: ccdd90d567 (このIDを非表示/違反報告)
えびてん(プロフ) - ゆずこしょうさん» ゆずこしょうさん素敵なコメントありがとうございます…!私もゆずこしょうさんが読み続けてくださることがとても幸せです…!応援の分も精一杯頑張ります…! (9月5日 23時) (レス) id: 88e3093851 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えびてん | 作成日時:2023年6月7日 23時

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