私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？弐っ！【RKRN】

22 ページ22

「そういえば
今日は扉…随分大きく開けてるんだね？」


まぁ、世間話といっても
さっき疑問に思ったことを言うだけなんだけど






「ああ…今、火薬庫の扉は建て付けが悪くて
一度閉まってしまうと中々開けられないので

中に人がいる間はああやって閉じないように開けっ放しにしているんです」


「へぇ〜そうなんだ！ご苦労様です」




三郎次はそれに対しぶっきらぼうだけど丁寧に説明してくれる
委員会頑張ってるんだなぁ
そう思って彼を労えば
彼はちょっとこっちを見た後
また火薬壺の方へ向き直す




「全くですよ
先輩みたいになぜか久々知先輩がいない時に
ばっかり！！来る人がいますからね！！」


「あ、あはは…いつもごめんね…？？」




彼の言う通り
私は久々知くんと話すようになるまで
いつも火薬庫を訪れる時は必ず久々知くんがいない時間を狙っていたのだ
そして、大体その時間にいるのは三郎次くんで
自ずとこうしてお互い顔見知り程度にはなっている状態


いやぁ…本当にごめんね…
今頑張って久々知くんの顔の良さを見ても
平然といられるように特訓してる最中だから
もう少し待って！！！！！！

彼に謝罪すれば
「全く…」と言いながら
少し高いところにある壺を下ろし
袋に火薬を詰めてくれる


「はい、どうぞ」


「いつもありがとう
委員会のお仕事頑張ってね」


火薬を受け取りお礼を言えば
彼はまた猫のように私を見たと思えば目を逸らす




「…いいえ
よっと…！」




彼は小さい声でそう言いながら
壺を背伸びをして棚に戻そうとする
しかし、その棚に置いた場所が浅かったため
火薬が入った思い壺が彼目掛けて【落ちてくる】様子が私の目にはスローモーションで映った







「…危ない！！！」


焦りから思わずそう叫んで
身体は彼に飛びかかり彼を守るように抱きしめる


ガシャン！！！！とおそらく壺が落ちた音がした後

　




「…いっ…たっ…！！！！！！」





私の肩が何かにドン！！！と激しく当たり
悲痛な声をあげてしまう


そして、今度は何故かギギギとなんだか嫌な音がしパタンと先程三郎次くんが【建て付けが悪い】と言ったあの重たい扉が閉まったのだ




そして、コレがとある事件を呼ぶことを
肩の痛みで悶絶している私はもちろん知らない

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す