私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？弐っ！【RKRN】

15 ページ15

一年は組で楽しく過ごしたあの日からしばらく経つ
頑張って教えた甲斐もあってか
一年は組のみんながわざわざ私の元には【よくできました】と花丸が書かれたレポートを見せにきてくれた


あの時のみんな可愛かったなぁと廊下を歩きながらほわほわしていれば


「お、Aじゃないか」


「…？あ、土井先生…！」


前方から私を呼ぶ声がして顔を上げる
そこには一年は組の教科担任の土井先生がいた
私を呼んだということは何かあるのだろうか
そう思って土井先生の元に駆け寄ると
土井先生は持っていた主席簿を首の後ろへと回し腰に手を当て話し出す




「聞いたぞ
あの子達に刀について色々教えてやったんだろ？
金吾は特に喜んでたよ！
それでか最近教室でお前の話ばかりしているんだ」



そう土井先生から告げられて
そういえば、あの時一番熱心に私の話を聞いてくれたのは金吾くんだったなと当時のことを思い出す

そっか…喜んでくれたんだ…！


「それは嬉しいですね…！
時々ですが剣術の稽古も見る約束をしたので
それもあるのかもしれません」



「嗚呼…だから団蔵がむくれてたのか…」

「…？団蔵がどうかしました？」



そう、あの出来事をきっかけに「先輩も戸部先生に稽古をつけて貰っているんですか！僕もなんです！」と戸部先生に教えを受けているもの同士で教えて欲しいと言われたので金吾くんの稽古を見てあげることにしたのだ



けど、なんでそれで団蔵が出てくるんだろう？
そう思って土井先生に聞いても土井先生は笑って話を続ける


「いや何も？


お陰であの子達も良いレポートを書けたと思う
ありがとう」


「いえいえ…！
お礼を言われるようなことはしてません…！
レポート自体は彼ら自身の力ですし」




本当にこの言葉通り
私はただ親から見て聞いたことをただ彼らに話しただけで花丸は彼らの努力の結晶なのだから
私がお礼を言われるようなことではない




でも、お礼を言われたことがちょっと照れ臭くて頭をほんの少しだけ下げた




一瞬





頭にポンと重みと温もりを感じる
そして、その温もりは微かに揺れ動く

16→←14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す