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緑side
シゲは私に向き直り、口を開く
赤「神ちゃん、そういえば話って何?」
予定外のことの多さに忘れていた本当の予定
心臓は相変わらず、早く動く
緑「実はな、、」
言葉が詰まる
言ってしまっていいのだろうか
言ったら、関係が変わってしまうのではないのだろうか
朝、もう挨拶できないのではないか
手を振ってくれないのではないか
あの輝く笑顔を二度と私に向けてくれなくなるのではないか
そんな不安が一気に私の心に押し寄せる
想像した暗い未来に涙がこぼれる
見かねたシゲは
赤「あんな、神ちゃん
実は俺も神ちゃんに伝えたいことができて」
照れくさそうに目線をそらすシゲ
赤「ホンマはもっと自分の気持ちを理解してからとか、下手したら伝えるかさえも怪しかったけど
なんか、今日言った方がいい気がするから、言うな」
大きく息を吸うシゲ
はにかみながら、言う
赤「俺、神ちゃんのこと好きかもしれん」
そんな言葉に思わず顔を上げる
赤「ごめんなぁ、こんな中途半端な告白で。
ぶっちゃけ、好きな人ができたん、これが初めてやねん
せやから、これが好きって言うんかよおわからん
でも、神ちゃんに初めて会ったとき、なんか、なんて言うんやろ
ありきたりやけど、世界に色がついてん
この子笑わせたいなとか、思うようにもなってん
それにさっき、走って行ってしまった神ちゃんの後姿を見て追いかけなきゃあかんって思ってん
で、濱ちゃんが告白しとるとき俺、めっちゃ嫌な気持ちになった
わからんけど、確信なんかないけど、俺はこれが恋なんやと思うねん
だから、今伝えたくなった」
彼らしくまっすぐ伝えられた嘘偽りのない言葉たちは、私の心に染み込んでくる
緑「わ、私もシゲのことがすき、、、だと思う...」
断言するのが恥ずかしく、ましてやまっすぐすぎる彼の言葉を聞いた後となると、私は本当に彼が好きなのだろうかという錯覚に陥ってしまう
煮え切らない言葉を述べると
赤「ぷはっ、あはははは
なんや、お互い中途半端やなぁ」
緑「や、やって、私も初めてなんやもん
こんなに毎日が輝いてたことなんてないもん
でも自分が恋って思ったんならそれでええってあっくんに言われたし、
よしっ、やから、私は、シゲのことが好き!」
もうどうにでもなれ精神で告白をしてしまった
言ってしまった言葉は戻らない、シゲの反応を待つしかない時間は本当に長く感じた
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作者名:me | 作成日時:2022年11月30日 22時