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緑side
目的地へ到着
浅くなっている呼吸を戻すため、大きく息を吸う
そして、待ち合わせ場所の教室のドアを開ける
そこにいたのは、シゲ
そして、そんなシゲに押し倒されている知らないきれいな女の人やった
ドアを勢いよく開けたため、二人は一斉にこちらを向く
訳が分からない状況が広がるそこは、果たして私がシゲと待ち合わせした場所だったっけなんて、混乱する頭で思いついた言葉は
緑「す、すみません
場所間違えました!」
だった
とにかくこの場から立ち去りたい、そんなことしか考えられず、ドアも開けっ放しのまま廊下を走る
どれだけ走っただろう、もう何をしたかったのかさえ分からなくなった
呆然とし、ふらふらと歩く私は前をろくに見ていなかったため、誰かにぶつかってしまった
緑「あ、すみません、前見てなくて!」
急いで謝り、前を向く
そこにいたのは、心配そうな顔をした濱ちゃんだった
紫「神ちゃんやん!こちらこそ、ごめんなぁ
大丈夫か?怪我ないか?」
そう、やさしく問いかけてくれる濱ちゃんを認識すると、我慢の限界を迎えた私の涙腺は決壊し始めた
緑「あああああぁぁぁぁぁ」
とめどなく溢れてくる涙、ぼやける視界の中にいる濱ちゃんはただじっと側にいてくれた
紫「どうや、ちゃっとは落ち着いたか?」
濱ちゃんはそう聞き、ハンカチを差し出した
緑「ごめんなぁ、濱ちゃん」
紫「何があったんか、ゆっくりでええから、話してくれへんか?」
私はさっき見た情景を思い出しながら、そして時折涙を流しながら、説明していく
濱ちゃんは何を言うでもなく、ただじっと話を聞いてくれた
話し終えると、濱ちゃんは
紫「そっか、辛かったな」
と一言だけ言って黙ってしまった
いきなり、こんな話をされても困るよな、どうしよ
そう思っていると、濱ちゃんから
紫「なぁ、かみちゃ、いや、智子
俺、お前のことが好きや!俺やったら、悲しい顔なんかさせへん
せやから、俺と付き合ってほしい」
いきなり、告白をされた
あまりにもいきなりのことに戸惑っていると
赤「おい、濱田!それ、どういうことやねん」
怒気を孕んだ声が耳に届く
振り返るとすぐ近くにシゲがいた
シゲは濱ちゃんをにらみつけている
私は意味が分からず、ただ見つめることしかできなかった
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作者名:me | 作成日時:2022年11月30日 22時