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「で、どうしよっか?」
抱きたくなる。
まるで隕石が追突してきたかのような衝撃の藤ヶ谷の発言に、俺は固まってしまった。
そして、何故か。
俺は、藤ヶ谷とホテルにいる。
正しくは、ホテルのベットの上に、だ。
「…ど、どうしよっか、とは」
「だから、俺が北山を抱くのか、北山が俺を抱くのか」
「なっ、おっ、お、お前…っ!」
ぱくぱく、と開いた口が塞がらない俺に対して、藤ヶ谷は至って落ち着いている。
いやいやいや、おかしくない?
この状況?
付いてきちゃった俺も俺で大概だけど、こいつ玉森と良い感じだったんじゃねえのかよ?
「俺は出来れば抱きたいけど、北山初めてでしょ?途中で萎えられても困るから、まあどっちでも良いよ」
「だああーっ!ちょ、だ、黙れ!1回黙れ!」
「ええ?いまさら?これ超同意の上でしょ?」
「うう、そ、そうだけど」
…間違ってる。
そんなことは分かってた。
きっとこの行為に、藤ヶ谷にとっては何の意味も無いってことくらい。
それでも、玉森と同じ土俵に立ってすらいない俺にとっては、藤ヶ谷に引かれるがままホテルに付いてくるしかなかったのだ。
「で、どうする?それによって準備の仕方も変わるんだけど」
「…別に、どっちでも良い」
「雑!本当にこれからすること分かってる?」
「はあ?!分かってるよ、うっせえな!」
どっちでも良い。
ほんと、どっちでも良いんだ。
「お前になら…何されても良い」
俺がそう言うと、嬉しそうに目を細めて、俺の手を取ってキスをしてきた。くすぐったくて思わず声を漏らすと、それが合図かのようにベットに沈められた。
顔中にキスが降って来たかと思うと、今度は首筋や鎖骨に唇を寄せてきた。
甘い雰囲気に流されていたけれど、藤ヶ谷の耳の後ろ辺りから香る匂いに、ふと我に返った。
「なあ」
「何…?」
途中で止められた藤ヶ谷は不満そうに眉間に皺を寄せながら、俺を睨んできた。
睨みたいのはこっちの方だっつーの。
「…シャワー、浴びねえの」
「何か、可愛いこと言うね」
「はあ?いちいちうぜぇ」
「どうする?一緒に浴びる?」
「ぜってえ嫌だ。どけろ。先に入る」
はいはい、とおでこに軽くキスを落として俺の上からどける藤ヶ谷は、やっぱり何だか余裕そうで。
むかつく。
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魚(プロフ) - クラシさん» コメントありがとうございます!第6弾、先程立ち上げましたのでお時間あるとき呼んで頂ければ嬉しいです(*^^*) 藤ヶ谷くん、何にも後半の方登場してないんですよね…笑 ちょっとどうしようか悩んでいますが、引き続きお付き合い宜しくお願いします〜〜! (2019年3月17日 21時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 第6弾ようやく立ち上げました……!バンドマンの方の書きかけてたお話、尻切れとんぼ感すごいですが、良ければ読んでください…笑 バンドマンシリーズの方も何とか時間見つけて書きたい気持ちとこのままでも良いかな〜ってすごい悩んでます( ;∀;) (2019年3月17日 21時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
クラシ(プロフ) - バーテンシリーズの続きがとても楽しみなのですが、バンドマン藤ヶ谷くんもどうなるのかとても楽しみです^ ^魚さんの作品が好きすぎて何回も読み返してしまいます!その6もワクワクしながら待ってます♪ (2019年3月15日 16時) (レス) id: 8b88c99833 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - は藤ヶ谷君を応援してしまっているようですww藤ヶ谷君がこんなにも優しくイケメンなのに一本ネジが飛んじゃっている感じの奴なのか‥過去編とか来ますかね‥(おねだりふたたび・・)このシリーズもとっても大好きです♪ (2019年3月6日 22時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - りなのかもしれないですよねふたりのガヤ(藤ヶ谷)に会いたい(顔見たい)のハモリにキュンと切なくなり皆に刺されちゃえ!!って思われちゃうたいぴに私も会いたくなりました(*´σー`)エヘヘ・・そして・・玉ちゃん寄りになったりみったん寄りになったりの私でしたが結局私 (2019年3月6日 21時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2019年2月7日 15時