・ ページ22
バタバタバタ!
寝室からうるさい足音が近づいてくる。
「お、おはようございます…」
「んー、はよ」
足音とは反対に、リビングに飛び込んできた藤ヶ谷の声は小さかった。
「えっと…俺、もしかして、昨日…」
「あ?何?何も聞こえねー」
チラ、と横目で見ると、藤ヶ谷はごめん!と体を直角に折り曲げた。
「ほんと、記憶無くて…また、やっちゃったんだよね、ごめん…」
しょんぼり。
まさにそんな効果音がピッタリだ。
別に怒ってるわけじゃ無い。
アルコールが入ると、どうもこいつはキス魔と化すらしく、本当に見境なく唇を奪って行く。
まあそれがきっかけで、ズルズルと体の関係にもつれこみ、そして今の恋人という形になった訳だから、俺自身キス魔と化した藤ヶ谷の被害者の1人でもある。
記憶が無いらしいし、浮気ではないと分かっているので、本当に怒ってないし、もはや何とも思っていない。
「んー、じゃあ今度これ買って」
寝起きでボサボサ頭のままの藤ヶ谷にスマホの画面を突き出した。
好きなブランドのピアスで、新作のお知らせが入っていたから丁度良かった。
「分かった!買っておくね!」
「…ちょろすぎかよ」
はあ、と軽くため息をつくと、再びごめんね、と擦り寄って�茲にキスをして来る。
はいはい、と頭を軽く撫でてやると、怒りが収まったと解釈したのか唇を重ねて来た。
「ん、」
「北山の唇が1番好き」
何でミツ、嫉妬しないの?
と、いつも聞かれる。
やきもちを妬いたところで別に藤ヶ谷のキス魔が治るわけじゃないし、飲み会に行くな、と制限するのも違うと思う。
藤ヶ谷が好きなのは俺だけで、
俺の元に絶対帰ってくる、
という根拠の無い自信があるからだろうか。
「俺、北山が好き。絶対離さないで」
飲み会の次の日、上辺だけのようにも取れる口説き文句でいつも俺に愛の言葉を囁く。
別にそれで俺は満足しているから良いのだけれど。
「おう、お前の財布の紐は絶対離さねえよ」
「財布の話じゃないから!」
__
581人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ・・にジーン( ;∀;)あぁぁぁ‥好きです・・ゆびわに気づいたたいぴ・・いつか!!!待ってます(*´σー`)エヘヘ (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!っと愛おしいし‥会社のエースなのにガヤさんと離れるのやだー(´;ω;`)と潰れるガヤさんにゾッコン(←)な玉ちゃんが大好きです♪サプライズに鳩になるたいぴ可愛い♪俺の胸に飛び込んでおいで!って本気な玉ちゃんにwwやっと絞り出したおかえり (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 遠かった春・・( *´艸`)私‥夜布団の中で目が覚めた時更新チェック・・ついしちゃうんですが‥「春」シリーズだ!!! と思うとどんなに眠くっても起きて見ちゃう(`・ω・´)ゞきたやまくんの言葉に真っ赤になっちゃうガヤさんはホント可愛いし‥玉北ちゃんの飲み会は (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 君が壊れる日・・いつもは光の中に身を置いているようなみっくん・・だからこその抱える闇なのかも(´;ω;`)ウッ…なんて思ってしまいました。でもそれを見逃さないたいぴが隣にいるなら…涙。ふえーん( ;∀;)… (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 北斗さん» コメントありがとうございます! 春シリーズ好評頂けて嬉しいです( ;∀;)! この2人と北山さんことはこれからも書いていこうと思っております!また是非読んで頂ければ嬉しいです! (2018年11月16日 1時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魚 | 作成日時:2018年9月14日 22時