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「北山、大丈夫かなあ…」
運転しながら不安な気持ちになる。
迎えに行く、と毎回言うものの頑なに拒まれるし、それに必ず北山の飲み相手が去った後だ。
それだと言うのに。
電話に出たかと思ったらまさかの宮田。
どんだけ飲んだんだ…?
不安に急かされるように車を走らせ、宮田に告げられた居酒屋へたどり着いた。
終電を過ぎてからの来店にも、店員が威勢の良い挨拶をしてきたけれど、迎えに来ただけだから何だか気まずい。
「あ、ガヤ先生、こっちです!」
挨拶の声に察したのか、宮田が半個室の暖簾から顔を出して俺を呼んだ。
店員に断りを入れてそちらへ向かうと、恋人が座布団を枕にして丸まって寝ている姿が飛び込んで来た。
「…俺が飲ませたわけじゃないんです」
「え?あ?うん。うん、大丈夫、分かってる」
…待て待て待て。
俺はどういうスタンスで宮田と接すれば良いんだろう?
北山の同僚?
2人の恩師?
北山の…恋人?
「ん……ふじがやぁ、?」
「あ、北山?分かる?迎えに来たよ?」
一人で宮田との接し方に悩んでいると、寝ぼけている恋人がもぞもぞと動いた。
宮田にどう思われているか分からない手前下手に触れない。
「起きれる?」
近くで屈んで背中をさすると、北山はんー、と変に色っぽい声を出して、俺の努力を打ち砕いてきた。そう、2人っきりの時に甘えるかのように首元に抱きついてきたのだ。
「…」
「んぅ?ふじがや、怒ってんの?」
ピシ、と固まった俺に、無邪気な酔っ払いと化した北山は甘えてくるから本当に止めて欲しい。
「お、き、ようか」
「えぇー、ねむい…」
やばいよね?これ?
冷や汗が止まらないながらも、泥酔している恋人を何とか立たせて、車に運んだ。
後部座席に北山を寝かせた後、タクシーで帰ると言った宮田を、助手席に乗るように促した。
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魚(プロフ) - たいちゃんらぶさん» コメントいつもありがとうございます〜! バーテンシリーズはT×Fも交えて更新して行きたいと思っております!第4弾でもお付き合い頂ければ嬉しいです(*^^*) きっと高校生時代から宮田さんは良い友達だったんだろうなあ、と思いながら書かせて頂きました! (2019年1月16日 9時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - あみさん» コメントありがとうございます!バーテンシリーズは私も書いていて楽しいです…笑! ちょい笑い藤ヶ谷さんの策士っぷり是非楽しみにしていて頂ければと思います!魔法使いシリーズも引き続きよろしくお願いします! (2019年1月16日 1時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - した(/ω\)お玉ちゃんの想いも気になるっ・・もう一回読み直さねば・・(`・ω・´)ゞ (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - けてたいぴも良かったね・・みやっちありがとーー好きなんかじゃない・・玉ちゃんに色々暴いてもらって(←)たいぴの性癖が(゚∀゚)♪チュっと舌打ちが重なったってところ・・好きです・・玉ちゃんとだと右Fさんはみっくんにはどうなるんだろう・・ってつい考えちゃいま (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 魚さん♪終電の後(≧▽≦)心配募らすたいぴの様子に( ̄m ̄〃)ぷぷっ!お迎えに行くもどういうスタンスで??って考えちゃうトコもww(後でみったん怒ったら困るしね♪)ってここでやっぱり宮っちアシストさすがです♪優しい子だ!!幸せみったん・・良かったね・・それを聞 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2018年11月16日 1時