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誰のための、何のためのクリスマスなんだろう。
「あー…帰りてえ」
「本当だよね…」
ぼそ、と俺が呟いた愚痴は目の前のデスクに座る藤ヶ谷さんにしか聞こえておらず、そもそもこのフロアにはもはや俺らしかいないのだから当たり前だ。
「ちょっと休憩しよう」
「コーヒー淹れますね」
眼鏡の奥の綺麗な瞳が眠気でショボショボしているようだ。
聖なるクリスマスだと言うのに誰かと会う予定もなく、何となく今日の作業を終わらせる為に残業していたところに舞い込んで来たのは、納品が迫る俺らのチームの取引先の発注ミスで。
その時には既に4,5人しか残っておらず、気付けば残っていたのは藤ヶ谷さんと俺だけだった。
「はい、どーぞ」
「ありがとう」
向かい合わせで飲むのもあれかと思い、藤ヶ谷さんの隣のデスクに腰掛けた。
時計の針はもう22時を回っていた。
俺が淹れたコーヒーを一口飲むと、藤ヶ谷さんは柔らかく息を吐いた。
「クリスマス、誰かと会う予定無かったの？」
「居ませんよ、まあ同期誘って飲みでも行こうかとは思ってましたけど」
女の子よりも自分の趣味に時間と金を掛ける宮田と、最近フラれたばかりの二階堂と共に男3人で過ごす気楽なクリスマスでも過ごそうかと思っていたけれど、仕事なのだから仕方ない。
それに誰か女の子に声を掛けた所で、クリスマスに一緒に過ごしたことで彼女面されても困る。
「…北山くんって本当ドライだよね」
「そりゃどーも。そう言う藤ヶ谷さんこそ、誰かと会わなくて良かったんですか」
「そんな予定無いよ。」
あ、今のは失敗だったかな。
悲しげな瞳を見て、胸がちくり、と痛くなった。
藤ヶ谷さんの使っているネクタイが実は玉森さんの私物であることも知っているし、履いている靴も玉森さんからのプレゼントである事も知っている。
どんなに恋人の物を身に付けても、会えない悲しみは、何にも変えられない。
「でも、玉森にサプライズしたくて。プレゼント送ったんだ」
「へえ？」
何送ったんですか、と聞くと、藤ヶ谷さんは楽しそうに笑った。
「秘密」
「へ？秘密？」
「まだ、玉森知らないだろうからさ」
だから、まだ教えてあげられない。
藤ヶ谷さんの中で、玉森さんと言う存在がどれだけ大きいのか、こう言う時に実感させられる。
恋人よりも先にそのプレゼントの中身を知ることは出来ないらしい俺は、 誰のサンタにもなれない。
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魚(プロフ) - たいちゃんらぶさん» コメントいつもありがとうございます〜！ バーテンシリーズはT×Fも交えて更新して行きたいと思っております！第4弾でもお付き合い頂ければ嬉しいです(*^^*) きっと高校生時代から宮田さんは良い友達だったんだろうなあ、と思いながら書かせて頂きました！ (2019年1月16日 9時) (
レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - あみさん» コメントありがとうございます！バーテンシリーズは私も書いていて楽しいです…笑！ ちょい笑い藤ヶ谷さんの策士っぷり是非楽しみにしていて頂ければと思います！魔法使いシリーズも引き続きよろしくお願いします！ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - した(/ω＼)お玉ちゃんの想いも気になるっ･･もう一回読み直さねば･･(｀・ω・´)ゞ (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - けてたいぴも良かったね･･みやっちありがとーー好きなんかじゃない･･玉ちゃんに色々暴いてもらって(←)たいぴの性癖が(ﾟ∀ﾟ)♪チュっと舌打ちが重なったってところ･･好きです･･玉ちゃんとだと右Fさんはみっくんにはどうなるんだろう･･ってつい考えちゃいま (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 魚さん♪終電の後(≧▽≦)心配募らすたいぴの様子に(￣ｍ￣〃)ぷぷっ!お迎えに行くもどういうスタンスで??って考えちゃうトコもｗｗ(後でみったん怒ったら困るしね♪)ってここでやっぱり宮っちアシストさすがです♪優しい子だ!!幸せみったん･･良かったね･･それを聞 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2018年11月16日 1時
