6 ページ10
たいぴー、背中どうしたの？
じゃねえよ・・・！！！
こんな恥ずかしいことあるか。
それに、もしこれを誰かスタッフや事務所の人に見られたら、どれほど怒られるか。想像しただけでも恐ろしい。
北山に一言、文句を言ってやりたいところだが、3か条を敷かれているので、声をかけることが出来ない。
どこか北山は楽しげな表情をしている。
コンコンッ
「はい」
「「しつれしいしまーすっ」」
ノックをして入ってきたのは、トラジャのメンバーたちだった。
今回のツアーのバックにも付いてもらっているので、だいぶ顔馴染みになった。
「あっ、すみません！北山くん、着替えている途中でしたか！」
宮近がそう謝ると、北山は気にしないよ、と言ってタンクトップを脱いだ。
鍛え上げられた腹筋が露わになって、さんざん見ているはずだが、思わず目のやり場に困る。
「今日、よろしくおねがいしまーす！」
「おう、俺のソロについてくれるバックが誰だっけ」
「俺と、しめと、カジと、閑也です」
「そっか、よろしくな」
北山が裸のまま、先頭にいる如恵留に声をかけると、その後ろにいた中村があっ、と小さい声を上げて顔を赤くした。
「どうした？」
きょとん、と可愛げに首を傾げると、中村が顔を真っ赤にしながら、手で顔を覆った。
「なっ、何でもないですっ！」
そうか？、と言って北山はよろしく、と最後に声をかけて、トラジャのメンバーは部屋を去って行った。
何だったんだろう？と俺も気になったが、気にせず準備を進めていると、北山が鏡の前で固まった。
「・・・」
鏡越しに北山を見ると、左の鎖骨に小さな赤いうっ血痕があった。
そこをじーっと見つめる北山。
その表情は怒っているとも取れない真顔で、とにかく俺にとっては恐ろしかった。
「なあ」
「なに、なんでしょうか」
北山に話しかけられて、恐る恐る返事をすると、北山は無言でこちらへ近づいてきた。
俺の衣装のカットソーから覗く首元にぐっと顔を近づけると、鎖骨へピリッと痛みが走った。
「いっ・・・！」
「これで、許す。」
北山はそう言うと、急いで衣装に着替え、部屋をばたんっと出て行ってしまった。
ぬああああ！？
鏡で確認すると、北山と同じ場所、左側に盛大にキスマークを付けられた。
俺の衣装は大きく胸元がV字に開いているので、これはかなり際どい位置である。
「やられた・・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 679人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たいやき(プロフ) - 藤北目当てで読んだのに、『春』が１番好きで、何度も読み返しています！！あまり玉ガヤのBLは意外と読んだことがなかったので新鮮だったのと、『春』の藤ヶ谷くんがどたいぷすぎました。これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 1時) (
レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - まきさん» コメント頂いていたのにお返事遅れてしまい大変申し訳ありません(*_*)！ 短編の方で思いついた時にでも書いていこうかと思っておりますので、是非楽しみにしていただけると嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。以前に一回読んで、また読みたくなってしまい、読み返しました。とてもかわいい藤ヶ谷さんを見れて、楽しく読ませて頂いてます。『春』の続編を勝手ながら期待しております。 (2018年9月19日 11時) (レス) id: 0555875bff (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます！私の中で藤ヶ谷さんは受けだと思っていて笑 北藤、玉ガヤ大好きなんです笑 そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - わたリンさん» コメントありがとうございます！お返事遅れてしまい大変申し訳ありません( ；∀；)！春の続編いつか書きたいと思っておりますので、楽しみにしていてください！ (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：魚
| 作成日時：2018年4月16日 21時
