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「Youたち、来週の月曜日、暇?
少クラ出ちゃいなよ。」
そんなことを、唐突に言われたのが、
俺、北山、玉森の3人で出演した音楽番組の生放送が終わって、楽屋で着替えているとき。
社長が楽屋に入ってきた段階で、何でここに?!、とかなりパニックになった。
そして、感想を言うでもなく、
唐突に告げられた。
玉森は残念ながら他の収録があるため、結局、俺と北山の二人で収録へ向かうことになったのだ。
この土日、ツアーの合間の束の間のオフで、ゆっくり二人で休息を取ろうと思ったのに、二日間ともレッスンが入り、時間を潰すことになった。
日曜の夜、レッスンが終わり、くたくたになって帰宅すると、北山は直行で風呂に向かった。
俺は着替えること無くソファーに沈んだ。
「つかれた・・・」
_____
おい・・・・ふじ・・やっ
お・・・きろ・・・っ
「んあ・・・・?」
「藤ヶ谷っ!」
目を開けると、そこには風呂上がりの北山がいた。
どうやら眠ってしまっていたらしい。
「風呂、入ってこいよ。お湯はったからさ」
ソファーに横たわる俺の顔を、しゃがんで覗き込んでくる北山の顔は、ほんのりと赤く上気していた。
「やだ・・・眠い・・・」
「こんなところで寝るな」
「動けない・・・」
「だめだって」
北山がしゃがんでいたのを、立ち上がろうとしたので、俺はその手を引っ張ると北山は体勢を崩して俺の腕の中にすっぽりと収まった。
離れようとじたばたともがくので、髪の水滴が頬に当たって冷たい。
「髪、つめた・・・」
「じゃあ離せよっ」
「やだ」
濡れている髪を掻き分けて、額やまぶた、耳たぶにキスを落としていくと、大人しく北山は俺の腕の中にいることにしたようだった。
一通りキスをし終わったあと、抱き締めていた腕をとり、拘束から解き放すと、北山は俺の顔をじーっと見つめてきた。
「ん?」
「なんで、・・・してくんねえの」
「え?なに?聞こえない」
北山の濡れた髪をタオルで優しく拭きながら、北山を見つめ返すと、風呂あがりのせいか、黒目がいつもよりうるんで見えた。
「なんで、唇に、してくんねえの?」
少し不満そうに、でも寂しそうに告げた言葉に、俺は息を飲んだ。
いつまでも固まる俺に、北山はおずおずと可愛らしいキスを唇にしてきた。
ふっくらと膨れた唇は、柔らかくて、俺の理性を簡単に崩した。
「我慢できない・・・」
そう言い残して、あとのことも考えず、
肌を重ねてしまった。
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たいやき(プロフ) - 藤北目当てで読んだのに、『春』が1番好きで、何度も読み返しています!!あまり玉ガヤのBLは意外と読んだことがなかったので新鮮だったのと、『春』の藤ヶ谷くんがどたいぷすぎました。これからも頑張ってください! (2019年10月13日 1時) (レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - まきさん» コメント頂いていたのにお返事遅れてしまい大変申し訳ありません(*_*)! 短編の方で思いついた時にでも書いていこうかと思っておりますので、是非楽しみにしていただけると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2018年10月22日 17時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。以前に一回読んで、また読みたくなってしまい、読み返しました。とてもかわいい藤ヶ谷さんを見れて、楽しく読ませて頂いてます。『春』の続編を勝手ながら期待しております。 (2018年9月19日 11時) (レス) id: 0555875bff (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます!私の中で藤ヶ谷さんは受けだと思っていて笑 北藤、玉ガヤ大好きなんです笑 そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - わたリンさん» コメントありがとうございます!お返事遅れてしまい大変申し訳ありません( ;∀;)!春の続編いつか書きたいと思っておりますので、楽しみにしていてください! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2018年4月16日 21時