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藤ヶ谷さん、改めガヤは、何度かおなじ文学部の建物で見たことがある人物だった。
わったーの隣を歩く随分と顔立ちが整った人だな、と思っていた。
俺がわったーとキャンパス内で出会って、立ち話を始めると、いつも決まって少し離れたところで俺らの会話が終わるのを静かに待っていた。
無口、というか、無機質な感じがする人だったから、今こうして同じ空間にいるのが何だか奇妙な感じがする。
「ここは、省いても良いかも。で、ここはこのページ参考にすると良いよ」
「わー、まじで助かるよ〜!ガヤ、ありがとう!大好き!」
「こんなんで大好きになってくれんのかよ」
ガヤは楽しそうにニコニコとわらっているが、ミツは過去問に取り組むことなく、ソファでクッションを抱きながら小さくなっている。
「あと、分かんないとこあったら連絡して。答えるから」
「ありがとーっ!今度、ごはん奢る!」
「まじ?やったー、来た甲斐があったわ」
近くで見ると、やっぱりイケメンだなあ。
それになんか、良い香りがする。
「ガヤ、なんか良い匂いすんね」
「え?」
身を乗り出してガヤの首もとに鼻を近付けると、甘い香りがした。
「ニカ、くすぐったい」
「甘い匂いする〜、
なんか美味しそう!」
「おい」
グイッ!
強い力で肩を引っ張られて、思わずよろけると、そこには恐ろしい顔をしていつも以上に睨みつけるミツがいた。
「触んな」
「え?」
「藤ヶ谷に、触んな」
「ご、ごめん」
何をそんなに怒ってるのだか分からないけれど、ガヤの顔は真っ赤に染まっていたし、北山は相変わらず俺を睨み付ける。
そんな俺に、ある考えが思い浮かんだ。
「二人って、付き合ってんの?」
「「・・・・」」
二人揃って無言で俺を見てきた。
あれ、もしかして地雷踏んだ?
「お。おーい。二人とも??
死んだ魚の目みたいな目で俺のこと見ないでよ
え、ちょ、怖い怖い。
なに?なにすんのっ?
怖いよ!?
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
______
「俺は、何も知らない、
見てない、
聞いてない。」
二階堂はそのあと、
そうぶつぶつ呟きながら
死んだ魚の目をしながら、
北山の部屋を去った
______
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たいやき(プロフ) - 藤北目当てで読んだのに、『春』が1番好きで、何度も読み返しています!!あまり玉ガヤのBLは意外と読んだことがなかったので新鮮だったのと、『春』の藤ヶ谷くんがどたいぷすぎました。これからも頑張ってください! (2019年10月13日 1時) (レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - まきさん» コメント頂いていたのにお返事遅れてしまい大変申し訳ありません(*_*)! 短編の方で思いついた時にでも書いていこうかと思っておりますので、是非楽しみにしていただけると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2018年10月22日 17時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。以前に一回読んで、また読みたくなってしまい、読み返しました。とてもかわいい藤ヶ谷さんを見れて、楽しく読ませて頂いてます。『春』の続編を勝手ながら期待しております。 (2018年9月19日 11時) (レス) id: 0555875bff (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます!私の中で藤ヶ谷さんは受けだと思っていて笑 北藤、玉ガヤ大好きなんです笑 そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - わたリンさん» コメントありがとうございます!お返事遅れてしまい大変申し訳ありません( ;∀;)!春の続編いつか書きたいと思っておりますので、楽しみにしていてください! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2018年4月16日 21時