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そこに書かれていたメッセージに、そうだった、とスマホの時計を確認すると日付を超えていた。
「宮田に先越された…最悪…」
「え?」
「……本当、最悪。こんな格好つかない誕生日する筈じゃなかった」
ふん、とそっぽを向く藤ヶ谷の小さな耳は真っ赤に染まっていて、そういえばさっきテーブルに置いたやつ…と小さな白い箱に近付いた。
箱を開けると、そこには綺麗なイチゴのタルトがあって、そっと藤ヶ谷の背中に抱き着く。
「……ごめん」
「別に。俺も、ごめん。」
腕の拘束を解かれたかと思うと、正面を向いて今度はキスを落とされた。俺のほっぺをなぞる指が気持ち良くて目を細めると、何度も軽いキスをされる。
「誕生日、おめでとう」
「……ん、ありがと」
「仕切り直させて」
「うん、……でも、明日、昼からだろ。早いじゃん」
「終わったら、急いで帰ってくるから。」
でも、今は抱かせて。
そう耳元で囁かれたら、中途半端に脱いでいたスウェットがあっという間に脱がされて、ベットに押し倒された。
_____
「藤ヶ谷、どこに行ってたの」
藤ヶ谷が早く寝ないといけないのは分かるんだけど、寝てしまうのが勿体無くて水を飲む藤ヶ谷に尋ねる。
「……北山の家」
「え」
「まじで、後悔してる…」
家にいて、という何とも簡易的なメッセージに、俺は真っ直ぐ藤ヶ谷の家に行き、そして当の藤ヶ谷は俺の家に行ってサプライズをしようとしていたらしい。
それを理解したとき思わず、ふふ、と笑みが溢れる。
「これからはどっちの家に帰る、って確認しねえとな」
そう俺が言うと、藤ヶ谷は再び立ち上がって寝室を出て行った。再び戻ってきたときにはその手にファイルが握られていた。
「どっちの家、とか、もうこんな事ならないようにさ。」
渡されたファイルを見て目を見開く。
うわ、と思わず声が漏れて、そしたら何でか涙まで出てきて、藤ヶ谷がせっかく準備してくれたであろう書類にポト、と染みを作ってしまう。
「一緒のところに、帰って来よう」
俺の涙まで掬い上げるようにされるキスに、ん、と相槌とも取れない声を上げる。
「ありがと…、」
「内見一緒に行くの楽しみだね」
愛の溢れる勘違いに2人でまたベットに潜った。
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←勘違い
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魚(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!高嶺の花シリーズ、書き始めた当初は短編で終わる予定だったんですがそう言って頂けて嬉しいです(*^^*) 誕生日の後日談は下書きに眠っているのでもうすこし書き加えたら出しますね〜! (2019年9月26日 12時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ふじみつさん» コメントありがとうございます!お返事すっかり遅くなってすみません。゚(゚^ω^゚)゚。!魔法使いさんシリーズに探偵シリーズに…この前更新したのはいつだっけ…という作品ばかりでお待たせしてすみません!いつか書きます!笑き (2019年9月26日 12時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - こんにちは、魚さんの作品いつも更新楽しみにしてます!個人的に高嶺の花シリーズがとても好きで、なん度も読み返してます。北山くんの誕生日の件の続きがとても気になります、、、ぜひ見たいです^ ^ (2019年9月26日 10時) (レス) id: 1e2dbff765 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - こんにちは。みっくんのお誕生日になんて素敵な物語!ありがとうございます。私「春」がとても好きで、教師さんも、バーテンさんも、探偵さん、魔法使いも〜〜!完結したばかりですが、色々続き待っていても良いですか? (2019年9月19日 11時) (レス) id: a043f1bcd7 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - ぴこさん» コメントありがとうございます!わー!先生パロのお話も読んで頂けたとは…( ;∀;)!嬉しいです、あの2人のお話もまた書きたいなと思っていたのでやる気が出てきました笑 リアルな2人の関係性はこんな感じかな、と思い甘めな設定で書かせて頂きました(*^^*) (2019年9月18日 12時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2019年7月19日 2時