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花より団子 ページ12

「君を忘れない…曲がりくねった道をゆく…」




往年の名曲を小さく口ずさみながら、桜の下を歩く恋人は機嫌良さげだ。
ふふ、可愛い。




カシャ




スマホのカメラをこっそり起動させて、少し前を歩いていたその後ろ姿を撮った。シャッター音に気付いたのか、大きな瞳がこちらを振り返った。





「へ?」
「可愛かったから撮っちゃった、北山のこと」





なんだよー、と言うもののその表情は柔らかく、やっぱり楽しそうだ。
カメラロールをタップして撮った写真を見せようとすると、急に画面に影が入って顔を上げると、北山の顔がすぐ横にあった。





「はい、チーズ」
「わ、」





カシャ、とシャッター音が再び鳴った時には、不意打ちのショットを撮られており、北山は写真を確認して笑い始めた。横からスマホを覗き込むと、そこには少し驚いたような変な表情をする自分と、悪戯に成功したような笑みを浮かべる北山が並んでいた。





「ふは、この藤ヶ谷かわいー」
「うわ、やだー、ちゃんと撮ろうよ」
「ん」






はいはい、分かってますよ、と言わんばかりに腰を引き寄せられ、そしてカメラをきちんと右斜め上に構えた。顔も近づけられ、桜も良い感じに映り込んでいて、良いアングルだ。







「これはどうですかー?」
「うん、良いよ。綺麗に撮れてる」
「ありがとうございますっ!」
「ふは、何それ」
「最初に比べたら俺、超上手くなったと思わない?」





まあ、確かになあ…


付き合いたての頃デートに行った際に、写真を撮ろう、と北山に言った時、何だか難しそうな顔をされた。写真を撮るのが嫌いな人もいるから、北山もそうなのかな、と思い、やっぱり良いよと言い直すと北山は否定した。



“俺、写真撮るの苦手なんだよね…”



そう言われたので、別に俺が撮るから良い、とカメラを起動すると、北山は慌ててスマホを奪い取ってきた。



“写真撮るのは俺の役目だから!”



だから俺が撮るんだ、とよく分からない理由を言って構えたスマホは何故か下気味だったし、そしてピントも俺1人にしか合っておらず、確かに酷い構図の写真が出来上がった。


それ以来、少しずつアドバイスをしていく事で2ショット専属カメラマンの腕は上がって行った。





「ふじがやー」
「なに?」





チュ





写真を撮ったままの距離だったので、すぐ近くにあった唇を重ねられた。






「…みたらし団子の味する」
「ごめん、さっき食ったわ」

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(プロフ) - xxxさん» コメントありがとうございます!高嶺の花シリーズ、本当はシリーズ化する予定ないまま書いたのですが意外と皆様から好評で嬉しい限りです…。゚(゚^ω^゚)゚。まだ完結はしておりませんので、気が向いたら書かせていただきますね! (2019年9月7日 13時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - もっともっと続きを読みたいです!これからも頑張ってください! (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 初めまして。高嶺の花シリーズ大好きです。 (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たいちゃんらぶさん» どれもこれも超未完成な中途半端な状態だったんですが、下書きにしておくのも何だかなあ…と思い、公開してしまいました…|・ω・`) いつも適当な更新スタイルですみません!笑 気が向いたらシリーズ化していきたいと思っております〜! (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あんさん» お返事遅れてすみません。゚(゚^ω^゚)゚。!あんさんの作品を読んでいて、Kさんの方がFさんに対する独占欲強いんだろうな、と思い、Tくんと居るところを見てめちゃくちゃ嫉妬する…っていう展開を考えて書かせて頂きました笑 (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年4月14日 1時

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