検索窓
今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:220,806 hit

その病気の名前は ページ22

突然書きたくなった玉ガヤ話


__


「本当、拗らせすぎてて意味分かんないね」





そう何度吐き捨てるように言われたことか。

俺だって、素直になりたい。
北山の前じゃ素直になれない病気なのかも知れない、と本気で渉に相談したこともある。

その時、俺の馬鹿げた相談に対し、渉はこう答えた。


"じゃあ病名は恋、だね"



その時の言葉がリフレインする。





「……やっぱり病気なのかも知れない」
「バカなの?」
「ごめん」





目の前で渉に堂々と溜息を吐かれて、ますます肩身が狭くなる。

既に撮影を終え、メンバーは早々に帰宅した。最後の撮影だった渉と俺だけが楽屋に残っている状況で、いつものように恋愛相談を繰り広げていたのだった。









「そんなに好きなら、好きって言えば良いじゃん」
「……それが出来たら苦労しないし」
「愛情表現が不器用過ぎない?マイコだと思って接すれば良いんだって、キング!」
「その呼び方やめろよ。それに北山はマイコじゃない」







マイコ、というある種の概念的存在を相手にするのと、いざ目の前の北山を相手にするのでは訳が違う。

恋愛経験が乏しい訳ではないと思う。

それなのに、いつから北山を見るとこんなに胸が苦しくなったんだろう?年々、胸の苦しみは増しているような気がする。







ガチャ



「うおっ、……タマか」
「あれー、お二人さんまだ居たの?ゲームの充電器忘れちゃってさあ、」







急に楽屋の扉が開いたので驚いて振り返ると、玉森が部屋に入ってきた。

あったー、という間延びした声を上げ、そのまま立ち去るかと思ったら、俺と渉が会話をしていたすぐ近くで立ち止まった。







「ガヤって、ミツの事好きなの?」
「え?」
「さっき、入ってくるとき聞こえたから。なんだ、てっきり藤北冷戦期かと思ってたのに」
「え、あ、いや」








急に口を開いたかと思いきや、なんて爆弾を落としてくるんだ!

玉森は何だか楽しそうだ。





「見てる限りだと拗らせてる中坊みたい」
「…うるさいなあ」
「じゃあ、俺にもまだまだチャンスはあるよね」
「…?」







ん?チャンス?
え?まさか、タマって、北山の事……?!

俺が急いで聞こうとすると、玉森は俺の顔を覗き込んできた。







「ガヤの前じゃ、何でか素直になれないんだよね」






これって病気かな?




そう聞いてくる玉森に、俺は黙ることしか出来なかった。

貰われない祝辞→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (362 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
621人がお気に入り
設定タグ:キスマイ , 藤北 , 北藤
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - xxxさん» コメントありがとうございます!高嶺の花シリーズ、本当はシリーズ化する予定ないまま書いたのですが意外と皆様から好評で嬉しい限りです…。゚(゚^ω^゚)゚。まだ完結はしておりませんので、気が向いたら書かせていただきますね! (2019年9月7日 13時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - もっともっと続きを読みたいです!これからも頑張ってください! (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 初めまして。高嶺の花シリーズ大好きです。 (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たいちゃんらぶさん» どれもこれも超未完成な中途半端な状態だったんですが、下書きにしておくのも何だかなあ…と思い、公開してしまいました…|・ω・`) いつも適当な更新スタイルですみません!笑 気が向いたらシリーズ化していきたいと思っております〜! (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あんさん» お返事遅れてすみません。゚(゚^ω^゚)゚。!あんさんの作品を読んでいて、Kさんの方がFさんに対する独占欲強いんだろうな、と思い、Tくんと居るところを見てめちゃくちゃ嫉妬する…っていう展開を考えて書かせて頂きました笑 (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年4月14日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。