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「はあ?俺はお前にも藤ヶ谷くんにも何も興味無いわ!」





スパーン!、と良い音が北山の頭から鳴った。
いてえ!と騒ぐ北山をよそに、大倉さんは笑っている。





「いてえよ!何だよ!」
「宏光、夕飯の買い物行って来いや。ほれ、お駄賃」
「はあ?何だよ次から次へと…!」
「いいから行った行った」





大倉さんはそう言って財布から一万円札を取り出し、先程良い音が鳴った北山の形の良いおでこに貼り付けた。

北山は噛み付くように反論しているが、無理やり玄関まで追い出され、そして部屋はまた静かになった。

急に北山にキスされたかと思ったら、その北山は大倉さんに追い出されてしまい、一連の嵐のような騒動を俺はただぼーっと眺めることしかできなかった。



リビングにまた大倉さんが戻ってくると、何とも気まずい2人の構図が完成だ。








「ごめんな。ちょっと藤ヶ谷くんと2人で話したかったんや」
「…はい」
「俺、てっきりアイツの恋人って女の子やと思ってたから。まさかこんなイケメンだとは思ってなくて、驚いたわ」
「え?言ってなかったんですか?」







うーん、と苦笑いを浮かべながら大倉さんは、床に座りっぱなしだった俺をソファへと促した。






「藤ヶ谷、っていう苗字だけしか聞いとらんかったからな。まさか男だと思わんやん?」
「…そうだったんですか」







まさか男だと思わんやん。

それはそうだろう。俺自身だって、北山に対して恋愛感情を抱いていると気付いた時、どうすれば良いのか戸惑った。

でも決して諦めようとは思えなくて。

たまたま10年ぶりに会えたけれど、もしこの先さらに10年、20年…いや、仮に死ぬまで会えなかったとしても、俺は北山が好きでいたと思う。




「藤ヶ谷くん、昨日、アイツと電話したやろ?」
「あ、はい……何か言ってましたか?」
「なーんも。ただ落ち込んでたから、ウジウジしてらしくない、ってちょっとキツいこと言ってしまってな。」







大倉さんがコーヒーを淹れて持って来てくれたので、ありがたく受け取った。

自分が北山を困らせる発言をしてしまった為、大倉さんのその言葉に何と返事をすれば良いのかわからず押し黙ることしか出来ない。

大倉さんはコーヒーを一口飲み息を吐くと、ふ、と笑った。

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(プロフ) - xxxさん» コメントありがとうございます!高嶺の花シリーズ、本当はシリーズ化する予定ないまま書いたのですが意外と皆様から好評で嬉しい限りです…。゚(゚^ω^゚)゚。まだ完結はしておりませんので、気が向いたら書かせていただきますね! (2019年9月7日 13時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - もっともっと続きを読みたいです!これからも頑張ってください! (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 初めまして。高嶺の花シリーズ大好きです。 (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - たいちゃんらぶさん» どれもこれも超未完成な中途半端な状態だったんですが、下書きにしておくのも何だかなあ…と思い、公開してしまいました…|・ω・`) いつも適当な更新スタイルですみません!笑 気が向いたらシリーズ化していきたいと思っております〜! (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あんさん» お返事遅れてすみません。゚(゚^ω^゚)゚。!あんさんの作品を読んでいて、Kさんの方がFさんに対する独占欲強いんだろうな、と思い、Tくんと居るところを見てめちゃくちゃ嫉妬する…っていう展開を考えて書かせて頂きました笑 (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年4月14日 1時

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