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「え!?みっちゃん、OKしたの!?」
「やっぱりガチだったのかー!!!」
嫌な予感は的中した。
とりあえずまた連絡するわ!と藤ヶ谷を教室に1人残し、俺は全力でクラスメイトの横尾さんを探した。どうやら藤ヶ谷の事を待っていたようで、玄関で待っていたところを捕まえて人気のない所まで引っ張った。
そして先ほどの事情を説明すると、横尾さんは驚愕した様子で俺を見た。
「いや、だって、ガチだと思わないじゃん…ドッキリだと思うじゃん…」
「あのジェントルマンがそういう悪ノリに乗っかると思う?」
「思わねえけどさ…だって…俺男だし…」
「言っておくけど、1年生の頃からみっちゃんに片思いしてるからね」
うげぇ、と変な声が出そうになるのをこらえる。
横尾さんはため息を吐きながら、いたって真面目な顔で口を開いた。
「俺はちゃんと言ったよ。
みっちゃんは太輔の事そんな目で見たことは1回も無いと思うって。それでも良いから卒業式でちゃんと伝えたい、って決めたのは太輔だから。
だから、このまま適当に逃げるんじゃなくて、ちゃんと断ってあげて欲しいんだ。」
「ちゃんと断る、って言ったって…」
コロ、と手のひらの中で転がる藤ヶ谷の第2ボタン。
藤ヶ谷くんの第2ボタン、もう無いって!と女子が悲鳴を上げていたのを聞きながら、モテる男は大変だなー、だなんて俺には関係の無いことだと思っていたのに。
まさか、その第2ボタンを俺が持っているだなんて。
「同情だけは1番やめて。それくらいならこのまま二度と太輔と会わない方が良い。」
「う…横尾さんは誰の味方なんだよ…」
「俺?太輔に決まってんじゃん。
だって親友の恋愛応援するのは当たり前でしょ」
横尾さんの厳しくも聞こえる言葉に、俺は何も言う事が出来なくなった。パタパタ、と近付いてくる足音に、横尾さんは小さく唸った。
振り返ると、そこには藤ヶ谷が居た。
「あれ、2人とも一緒に居たんだ?、あ、もしかして渉にもう話した?」
きらきら、と輝く目で俺を見つめて来る藤ヶ谷に、先ほどとは全く違う感情が湧いてくる。
う、無理…、
こんなに真っすぐ見つめられたら罪悪感しか湧かない。
「ふ、藤ヶ谷っ」
「うん?なに?」
「お、俺。さっき、勢いで返事しちゃったけど…!」
けど、とそこで俺が言い詰まると、藤ヶ谷は途端に悲しそうな顔をした。
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魚(プロフ) - A.Fxxxさん» コメントありがとうございます!過去作品読み返していて、続編書きたいなあと思い立って高嶺の花シリーズ書かせて頂いたのですが、ご好評頂けて嬉しいです!ニカ玉カップルとダブルデート編くらいまでは書いていこうかと思いますので、また読んで頂ければ嬉しいです! (2019年4月13日 2時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - yikumiさん» コメントありがとうございます!話数の関係で短くなってしまったんですが、このシリーズのカップル書いていてとても楽しいです笑 北山先輩は無自覚なんですがめっちゃモテる男の設定で、実は藤ヶ谷さんの方がヤキモチを妬いている…という設定で書いてあります笑 (2019年4月13日 2時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
A.Fxxx(プロフ) - 魚さんこんばんは!いつも拝見してます。魚さんな北藤作品大好きです!高嶺の花シリーズはほんとうにいつもきゅんってします!いつもステキなお話ありがとうございます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 7ceefe7785 (このIDを非表示/違反報告)
yikumi(プロフ) - 魚さん、今晩は。「元彼氏/高嶺の花」シリーズの藤北カップル素敵過ぎます。美人なのに北山さんの前では可愛くなる藤ヶ谷さん…、きゅんとしました。知らない間に人の心を掴んでいく北山さんは罪な男性だと思いました。素敵な作品を有難う御座います!! (2019年4月12日 21時) (レス) id: 36ae0e2f2c (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 桜鈴さん» コメントありがとうございます!意外と好評頂けていたようで作者としても嬉しい限りです。゚(゚^ω^゚)゚。 個人的にはニカ玉カップルも誕生させたいなあ、と考えているので、また更新させて頂きたいと思います! (2019年4月11日 12時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2019年3月17日 21時