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「今日何で迎えにきてくれたの」
「…暇だったから」
「顔見れたから嬉しいけど、無理すんなよ」
ベットに腰掛けて煙草を吸いながら話し掛けると、返事は無く何だか唸っている。
「う…素直になるのまじで何なの…」
「何?なんて言った?」
「何でも無いっ」
明日は撮影は無いようだけれど、レコーディングがまだ残っているみたいで行かなくてはいけないらしい。個人で決まったラジオも、色々企画が動き始めているようだ。
そんな風に互いの近況を報告していると、少しずつ空いた時間が埋まっていくようで心地良い。
「で?何で迎えに来てくれたの?気まぐれ?」
「ゃ…た…」
「え?何?聞こえない」
「…もー良い!話す気失せた」
「ええ?聞きたい」
布団に潜り込んで出来た塊に飛び付くと、うえ、と中からくぐもった声が聞こえてきた。
「……俺は会えてないのに、」
「なーにー?なんて言ってんの?」
ガバ!と布団を剥ぐと、不満そうに俺を睨みつけてきたので、そのまま布団を被り一緒に閉じ込める。
「離れろバカ、」
「さっきなんて言ったか教えてくれたら良いよ」
そのままぎゅー、と布団の中で抱きしめると、ゆっくりと俺の背中に手を回してきた。キスを繰り返していたけれど、流石に息が苦しくなってきて、布団から2人で顔を出す。
「ねー、教えてよ」
「…嫌だったんだよ」
「何が?」
「だから!」
起き上がったかと思うと、そのままほっぺを両手で挟まれた。
「う、いひゃい」
「…俺はぜんっぜん北山に会えてないのに、薮とばっか会ってるし、後輩にまで北山取られるなんて嫌だったの!」
「へ?」
顔を真っ赤にしながら告げられた言葉は、理解するまでに時間がかかって、フリーズしてしまう。
「……妬いた。だから会いに来た」
「…」
「ごめん、重くて。もうしない」
自分で言うのはあれだけど、交友関係は広い方だと思う。それに対して一度もとやかく言われた事が無かったから、いざ面と向かって言われると、何て言うか。
「…めっちゃ嬉しい」
「え?」
「妬いてくれんの、嬉しい。ありがと」
ちゅ、と軽く唇を寄せると、更に顔が赤くなっていった。
「ふは、顔真っ赤」
「…うるさいっ、もー、本当北山なんか嫌い」
君からの拘束なら、何だって受け入れるんだけどな。
「俺は藤ヶ谷が好きだよ」
「…知ってる」
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魚(プロフ) - A.Fxxxさん» コメントありがとうございます!過去作品読み返していて、続編書きたいなあと思い立って高嶺の花シリーズ書かせて頂いたのですが、ご好評頂けて嬉しいです!ニカ玉カップルとダブルデート編くらいまでは書いていこうかと思いますので、また読んで頂ければ嬉しいです! (2019年4月13日 2時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - yikumiさん» コメントありがとうございます!話数の関係で短くなってしまったんですが、このシリーズのカップル書いていてとても楽しいです笑 北山先輩は無自覚なんですがめっちゃモテる男の設定で、実は藤ヶ谷さんの方がヤキモチを妬いている…という設定で書いてあります笑 (2019年4月13日 2時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
A.Fxxx(プロフ) - 魚さんこんばんは!いつも拝見してます。魚さんな北藤作品大好きです!高嶺の花シリーズはほんとうにいつもきゅんってします!いつもステキなお話ありがとうございます。 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 7ceefe7785 (このIDを非表示/違反報告)
yikumi(プロフ) - 魚さん、今晩は。「元彼氏/高嶺の花」シリーズの藤北カップル素敵過ぎます。美人なのに北山さんの前では可愛くなる藤ヶ谷さん…、きゅんとしました。知らない間に人の心を掴んでいく北山さんは罪な男性だと思いました。素敵な作品を有難う御座います!! (2019年4月12日 21時) (レス) id: 36ae0e2f2c (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 桜鈴さん» コメントありがとうございます!意外と好評頂けていたようで作者としても嬉しい限りです。゚(゚^ω^゚)゚。 個人的にはニカ玉カップルも誕生させたいなあ、と考えているので、また更新させて頂きたいと思います! (2019年4月11日 12時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚 | 作成日時:2019年3月17日 21時