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魔王様とお話 ページ11

あれから数日が経った。現在僕は、何故か魔王様の部屋のベランダでオシャレな机と椅子を挟んで魔王様と向かい合っている。

「あの、急に呼び出されたので来たのですが……どうされました?」
「そろそろ魔王城での生活には慣れた?」
「はい。」

 あれ?魔王様って前もっと強い口調で喋ってなかったっけ?

「ふふ、私の喋り方が気になる?」

 ……ばれてる……

「えっと……はい。」
「正直でよろしい。私はね、皆を守るためにお父さんから魔王の肩書を受け継いだの。というかそれしか無かったとも言えるけどね。でも、ずーっとあんな感じで話してると疲れちゃうから私の部屋にいる間というか気を抜いても良いときは抜くようにしてるの。」
「あの、一応僕も居るんですが。」
「あら?貴方が私に何ができるのかしら?」
「あ、何もできませんね。」
「それにね、レナ。」
「なんでしょうか?」
「うわっ!」

 突然魔王様の横にメイド服を着た黒髪に魔王様程ではないがそれでもとんでもなくスタイルの良い綺麗な女性が現れた。

「あ、貴女は確か僕を助けてくれたっていう魔王様の側近の方、ですよね?」
「はい。レナと申します。以後お見知りおきを。」
「レナ、私を置いて流真と仲良くならないで欲しかったな……」
「……申し訳ありません。」
「もう、幼馴染なんだからこういう時は貴女も気を抜きなさい!」
「分かりました、これでいいですか?ルナ様。」

 魔王様に咎められたレナさんは硬い口調でどこか義務感のある言い方から柔らかい雰囲気に変わった。

「よろしい。」
「あの、さっきのルナ様、というのは魔王様のことですよね?」
「うん。ルクシア=マファナ=ナレリルが私の名前。それを略してルナ。皆魔王様としか呼んでくれないけど呼びやすいでしょ?」
「なるほど。確かにそうですね。ということはレナさんも?」
「いえ、私はレナが名前です。それに魔族は魔王の一族か各地を収める領主魔族以外は家名を持ちませんから。」
「そうなんですね。」

 どうやら魔族には、家名はとんでもない物らしいな。などとのんびり考え事をしていると、

「ねえ流真、貴方は私の事ルナって呼んでくれるわよね?」
「ルナ様!?」
「えぇ!?」
「なによ、二人して。別にいいじゃない。私達だけの時だけで良いんだから。」
「あの、ルナさんでは駄目でしょうか?」
「うーん……仕方ない、妥協してあげる。」
「はぁ……ルナ様ったら……」

 この魔王様、意外とフレンドリーのようだ。

魔王城での生活→←昔話の感想は……



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作者名:めがねとかがみ | 作成日時:2020年9月15日 23時

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