13-�� 冷める ページ19
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電話を切られてから呆然としてベッドに寝っ転がった。
最悪のクリスマスだった。
しばらく1人で心を落ち着けようとしたけれど、やっぱり聞こえてくるクリスマス・ソングがあまりにも明るくて、北人さんと壱馬さんの笑い声が聞こえて耳をふさいだ。
1人でいると壊れそうで、部屋を出てリビングへ降りた。
11:38 P.M.
リビングでミルクをあたためた。
外はいつの間にか雨が降っていて、さらに気持ちは沈んでいく。
「…いっちゃん」
その時初めて、ソファにまだ翔吾さんがいたことに気がついた。
「話せたん？」
「……話せたっていうか、…」
ただ彼女があんなことを言ったのを認めたくなくて、言葉を濁した。
「上手くいかなかった？」
「…まあ、はい」
あたためたミルクにすこし砂糖を溶かしながらうなずくと、翔吾さんは「そっか…Aちゃんよく言ったな…」とうつむいたので、チクリと胸が焦げついた。
「翔吾さん…Aちゃんに何か言ったんですか…？」
その言葉に顔を上げてこっちを見た翔吾さんの顔がなんとも言えない真剣な顔だった。
「いっちゃんはAちゃんの気持ち…分かっとるん？」
「気持ち…？……気持ちはないって、」
「…いっちゃん。こっち来て」
翔吾さんが手招きして、ソファの隣に座った。
もう何もついていない真っ黒なテレビの液晶に、隣に置かれたツリーのひかりが反射していてきれいに光っていた。
「Aちゃん何て言ってた？」
「……そんなの…翔吾さんに関係ない」
ミルクを一口飲んだ。
砂糖いれすぎた
甘すぎて胸が苦しくなる。
「Aちゃんが、いっちゃんからの気持ちと自分の立場に板挟みになってるって、気づいてたん？」
「…………」
相変わらずチカチカと点滅する安っぽいイルミネーション
「…これ、俺が言っていいか分からんけど言うわ。Aちゃんは、自分はいっちゃんからの告白に即答できる立場じゃないって言ってた」
「……なんでそんなこと」
「Aちゃんが悩んでるのは、いっちゃんのこと好きかどうかってことじゃない」
「……、」
「Aちゃんはファンのことを裏切れないって。」
「…そんなの関係なくないですか、」
「………いっちゃんは大人にならなあかんよ。Aちゃんがどんな気持ちでいっちゃんからの電話を取ったか、考えたほうがええと思う」
翔吾さんの言葉が、鋭いナイフのように胸に突き刺さった。
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
