【urt】海の中で捜し求めていたのは君だった (ページ3)

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二匹目ページ3

ジェンツーさんは手負いだけど、私がここで時間を稼げは上手く逃げられるかもしれない。

それに手ぶらで外に出ている訳じゃないし、アデリーさんから拝借した銃を彼に向けた。

A「この人は私の仲間です。見逃してください」

青年「そんなのどうでもいい。そこを退け」

青年「同じ目に遭いたくないならな。早く失せろ」

A「お断りします。私がお相手しましょうか？」

本当は一緒に逃げたいけど、今ここで勇気を出さないと殺される。

怖いだなんて言う前に戦え、私！！

青年「ふーん？ま、腹を満たすにはちょうどいいな」

青年「その女は見逃してやるよ。今日の獲物は」

青年「お前に決めた。せいぜい楽しませてくれよ？」

彼を満足させるのは置いといて、ほんの少しでいいから隙を作ろう。

適当に相手をしてれば大丈夫だよね。

A「...始める前にお名前聞いていいですか？」

青年「あ？獲物に名乗る訳ねぇだろ」

何なのこの人、身元が分かんないと困るじゃん。

しかも獲物って私の事を言ってる？

ちょっとムカついたから殺すとまではしなくても、せめて一発くらいは当ててもバチは当たらないはず。

A「...私は獲物じゃなくてAって言います」

A「名乗れないのなら適当に呼びますね」

A「いいですか？"小柄なシャチのお兄さん"」

青年「おいてめぇ、誰が"小柄"だって？」

青年「少なくともお前よりは身長はあんだよ」

わぁ挑発に乗ってくれたよ、良いノリですね←

確かに身長は私よりも高いけど、普通の男性からすると小柄に見えるんだもん。

私の挑発で独り言を呟く彼から視線を逸らし、ジェンツーさんのいる所を一瞥すると彼女の姿はなかった。

良かった、上手く隙が出来たみたい。

A「あの、気を悪くしたのならごめんなさい」

A「仲間が上手く逃げられたみたいなので」

A「私はこれで失礼します。それでは...っ！」

【ガンッ！！】

元来た道に戻ろうとしたら彼が発砲してきて当たらなかったのは不幸中の幸い。

青年「何勝手に帰ろうとしてんだよ」

青年「まだ始めてすらないだろ？俺の相手しろよ」

A「えぇ...他の人に頼んでください」

青年「お前が相手するって言ったんだから責任取れ」

A「...いいですよ。でもそれは今じゃないです」

青年「は？」

私はさっき見つけた水道管に目掛けて発砲した。

破裂した管から大量の水が彼に飛び散ってる間に私は駆け足で逃げた。

ざまぁみろ！